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ウクライナ情勢ドネツク市街地に降り注ぐ焼夷弾、SNSに多数の映像
破戒された市場の前で肉製品を売る男性(7月22日、ドネツク) Alexander Ermochenko-REUTERS
<ツイッターやテレグラムには多くの映像が投稿された>
23日夜、ウクライナ東部の都市ドネツクにテルミット焼夷弾が落とされたとする動画がいくつかのSNSプラットフォームに投稿・拡散された。
ロシアは4月以降、親ロシア派の分離主義者が実効支配するドンバス地方(ドネツク州とルハンスク州)の攻略に注力している。分離主義勢力の支配下にあるドネツクで花火のような光が目撃され、火の粉が市街地に降り注ぎ、火災を引き起こす様子がツイッターやテレグラムに寄せられた。
ロンドン大学キングス・カレッジのロシアの防衛政策の専門家、ロブ・リーは「今夜、ドネツクで焼夷弾のようなものが使われた動画が多数ある」とツイート。
2012年にシリアで使用された焼夷弾について、ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は「多くの場合骨まで達するような極めて大きな苦痛をもたらす火傷を引き起こし、呼吸器系にダメージを与えることもある」と報告している。人体はもちろん、建物や家畜・農産物などの財産にも甚大な被害をもたらす。
白リン(空気に触れると自然発火し、燃焼温度が2000~2500℃にも達する危険物質)の使用を疑う声もあるが、投稿された複数の映像から、調査報道機関べリングキャットのアリック・トーラーは「リンではなくテルミットだ」と述べる。(テルミットの燃焼温度は2200℃以上)
誰が攻撃したかは明らかになっていないが、ロシアとウクライナ双方が焼夷兵器を保有している。