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ウクライナ情勢ロシア軍、ウクライナ東部ドネツク州制圧へ攻勢 市場や住宅地も標的
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ロシア軍は7月5日、ウクライナ東部ルガンスク州を掌握したのに続き、隣接するドネツク州で攻勢を強め、市場や住宅地も標的になった。写真はロシアの攻撃を受けた市場で消火活動に当たる人々、同州のスラビャンスクで撮影(2022年 ロイター/Marko Djurica)
ロシア軍は5日、ウクライナ東部ルガンスク州を掌握したのに続き、隣接するドネツク州で攻勢を強め、市場や住宅地も標的になった。両州で構成するドンバス地域の制圧を目指して激しい砲撃を続けている。
ウクライナ政府当局者らによると、ロシア軍はドネツク州のスロビアンスクとクラマトルスクに戦力を集中させているとみられる。この日はスロビアンスクの市場と住宅地を砲撃し、地元当局によると少なくとも2人が死亡、7人が負傷した。
同州のキリレンコ知事はフェイスブックの投稿で「ロシアはまたしても、市民が集まる場所を故意に狙っている」とし「これは完全なテロだ」と非難した。
知事は先に、スロビアンスクとクラマトルスクが一晩中激しい砲撃に見舞われたと明らかにし、両市がロシア軍の主要な標的になったと指摘。「ドネツク地方で砲撃のない安全な場所はない」と語った。
<攻撃拡大を正当化>
一方、ロシアのウォロジン下院議長はウクライナは「テロ国家」になったと発言。より広範な攻撃を正当化するためにこのような見解を示した可能性がある。
下院ではまた、ウクライナでの戦争を支援するための2つの法案が第1読会を通過した。最終的に上下両院で承認されれば、政府は企業に対し軍への物資供給のほか、ウクライナ侵攻に関連した従業員の残業を要求できるようになる。長期戦を見越した動きともとれる。
ウクライナ大統領府のアレストビッチ顧問は投稿動画で、ロシアはルガンスク州のリシチャンスクとセベロドネツクを制圧するために多大な人的・金銭的損失を被り、90日間の時間も要したと指摘。「ウクライナ領土でロシアが勝利するのはこれが最後だ」と強調した。
ウクライナのジェパル第1外務次官はスイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会で、ロシア軍がウクライナ南部の港湾都市・オデーサ(オデッサ)とミコライウの封鎖を継続すれば、貯蔵庫にある数百万トンの食料が腐り、アフリカやアジアの数百万人の人々が飢えに苦しむ恐れがあると警告した。
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