サウジ当局、あらゆる虹色のおもちゃを押収 「子供の同性愛を助長」
英BBCのウルドゥー語チャンネルにも、応酬を肯定的に捉えるコメントが相次いだ。ウルドゥー語はパキスタンの言語で、インドでも公用語のひとつに採用されている。視聴者らは、「すばらしい一歩に本当に感謝。史上最高の行いをしてくれたサウジアラビア政府よ、ありがとう」「私の国のパキスタンも、アラーがこの悪魔のような問題から救ってくれますように」などの反応を残している。
今春以降、映画の取り締まりも話題に
多くの湾岸諸国と同じく、サウジアラビアはLGBTQへの取り締まりを強化している。5月にはマーベル・スタジオによる人気映画シリーズの続編『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』が公開される予定だったところ、上映が見送られた。同性愛者のキャラクターを導入したことが問題となり、検閲を通過できなかった。
芸能ニュースを扱う米ハリウッド・リポーターは4月、サウジアラビアで同作の上映が禁止され、クウェートでも同様の対応となる見込みだと報じた。サウジ当局は、配給元のディズニーが一部シーンの修正の要請に応じなかったとしている。
6月中旬には、ピクサーが生んだ人気シリーズの最新作『バズ・ライトイヤー』も上映禁止となることが判明した。映画・エンタメ関連ニュースサイトの米デッドラインは、女性同士のキスシーンが問題となったと報じている。アラブ首長国連邦やエジプトなど中東の国々に加え、ムスリムの人々が多く住むマレーシアとインドネシアでも配給の許可を取得できなかった。
同性愛への理解は個人によっても異なるところではあるが、欧米社会全体の傾向としてみるならば、違いを認めてゆく運動と法整備が進みつつある。一方、文化的・宗教的価値観の影響から、サウジなど中東の事情はこれと大きく異なるようだ。
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