「ハチは魚である」と裁判所が認める 米
農作物の受粉に欠かせないミツバチ
今回の決定を受けカリフォルニア州では、ミツバチに近い仲間であるマルハナバチ4種が再び絶滅危惧種として保護されることとなる。
原告のひとつであるゼルセス無脊椎動物保護協会は、ミツバチを保護対象とすることは絶滅回避のため「必要不可欠」だと考えているようだ。協会のスポークスパーソンであるサリナ・ジャプセン氏は、奇しくもハチの名を冠する地元紙『サクラメント・ビー』に対し、農作物の受粉にはミツバチが欠かせないと指摘する。
食の安全センターはプレスリリースを通じ、「私たちが口にする食べ物の3口に1口は、ハチが受粉した農作物でできています」と述べ、ハチの保護は作物の安定供給に欠かせないと説明している。このように重要な役割を担いながら、北米ではマルハナバチの4分の1が絶滅の危機に瀕しているとして、同センターは保護の重要性を強調する。
米スレート誌は、判決は一瞬、「分類学のルールを窓から投げ捨てるかのような奇妙な判断に思える」と混乱した様子だ。しかし最終的に記事は、「これはミツバチにとって朗報であり、私たちの胃袋にとっても朗報だ」と述べ、妥当な判決だと受け止めた模様だ。
今回の一見不可解な決定は、アメリカの食糧生産の観点で長期的にメリットを生むことになるのかもしれない。