ジョニー・デップ裁判で証言した私が体感した彼の本質
'I Testified in the Heard vs. Depp Trial. The Backlash Has Been Horrific'
家のブラインドを閉め切るほどの疑心暗鬼には陥っていなかったと思う。だが長女はまだバージニア州の自宅で暮らしていて、馬鹿げた考え方に思えるかもしれないが、うちはピットブルを飼っている。彼女は素晴らしい犬だが、それでも本質は闘争心の強いピットブルのままだ。私はこの時、おそらく人生で初めて「ピットブルを飼っていてよかった」と思った。彼女が娘の側にいてくれてよかったと。うちの犬が誰かを傷つけることはないと思うが、相手を怖がらせる存在にはなるはずだから。
ジョニー・デップには、先回りして(ファンたちに)こう言って欲しかった。「みんなが怒っているのは分かる。でも怒りを表現する方法は選ぶべきだ」と。彼がそうしなかったという事実が、彼の本質を物語っているのかもしれない。ハード氏も表に出て声を上げてはいないが、彼女はこの状況において、最も弱い立場にある人物だと私は考えている。もし私に熱心な支持者集団がいて、彼らが見ず知らずの誰かに嫌がらせをしているのを知ったら、裁判の時と同じことを言うだろう。不満を表現する方法は選ぶべきだし、表に出さない方法だって幾つもあると。
ヒーローの本性は誰も知らない
デップはファンたちの言動に気づいた時点で、彼らの感情を別の方向に向けさせるべきだったと思う。今からでも彼が介入してくれるなら歓迎するが、一方で彼に有利な評決が下されたことで、ファンの怒りも和らぐかもしれないと思っている。だが評決が下された後も、私の仕事先には誹謗中傷のメールが届いたし、失礼な電話も1件かかってきた(スタッフがうまく対処してくれたが)。
私は5月23日以降、ほぼ完全にオフラインの生活を送っている。裁判の前には妻と子どもたちにも、少なくとも裁判の1週間前から2週間後までは、自分のウェブサイトやソーシャルメディア・プラットフォームから離れるように言った。それでも家族にとって、そして私が長年つき合ってきた患者たちにとって、今も私に対する攻撃があるのを見るのは、少しつらいことかもしれない。
ヒーローやスターを選ぶ際、私たちが知っているのは彼らの「表の顔」であり、中身ではないということを忘れてはならないと思う。だからこそ、家族や教師などの身近な人物を自分のヒーローに選ぶ方がいい。話したこともない他人よりも、よく知っている人々だからだ。