【再現動画】東・南シナ海で中国機がカナダ機と豪機に仕掛けた危険な嫌がらせ
China Fires Back at Canada and Australia Over Actions of Air Force Pilots
南シナ海上空で豪哨戒機に「横付け」しフレアを放射した中国のJ-16戦闘機 9 News Australia/YouTube
<軍事力の増強に伴い、東シナ海や南シナ海で中国軍機の攻撃的な行為がますます目立ってきた。カナダ政府やオーストラリア政府の抗議にも非を認める気配はない>
カナダとオーストラリア両政府は、公海上空で自国の哨戒機が中国軍機に異常接近されたと中国を非難しているが、中国は挑戦的な姿勢で反駁している。
中国国防省の報道官らは、両国の哨戒機による情報収集活動を非難し、人民解放軍空軍のパイロットの行動は適切かつ合法的であると主張した。
カナダ空軍機は、国連決議に基づく東シナ海での任務遂行中に「軍人としての倫理に反する」中国軍機の異常行動に遭遇したという。オーストラリアは、南シナ海で通常の哨戒活動を遂行中の空軍機が、中国軍機に異常接近されたと発表した。
中国は両海域で領有権を主張し、その主張を強化するために戦闘機による哨戒活動を増やしている。
中国国防部の呉謙(ウー・チエン)報道官は6日に声明を発表。「最近、カナダ軍機は国連安全保障理事会決議の履行を口実に、中国に対する近接偵察と挑発を強化している」と述べ、カナダの航空機は「中国の国家安全保障を脅かし、最前線で活動する両国の兵員の安全を危険にさらしている」と主張した。
さらに「カナダ軍機による挑発行為と非友好的で軍人としての倫理に反する作戦に対し、中国軍は合理的、効果的、安全かつ軍人として当然の行動を取った」と述べた。
呉によれば、中国は外交ルートを通じてカナダに抗議を申し入れ、カナダ軍に 「前線部隊の厳格な規律」を求めたという。
中指を立てたパイロット
呉報道官の反論は、カナダ軍が出した6月1日の声明に対するものだ。カナダ軍の発表によれば、東シナ海上空で任務遂行中のカナダ空軍CP-140海上哨戒機が、中国軍機に繰り返し異常接近された。カナダ空軍機は東シナ海における国連安全保障理事会の北朝鮮制裁に対する違反活動を監視するネオン作戦に従事していた。
同日、カナダのグローバル・ニュースは、中国の戦闘機パイロットは6〜30メートルの距離まで近づき、カナダ軍機のコックピットにいる乗員と目を合わせ、中指を立てたと報じた。
同じく中国国防部の譚克飛(タン・ケフェイ)報道官は7日、オーストリア政府に同様のメッセージを伝えた。同報道官は、オーストラリアの航空機が南シナ海のパラセル諸島沖で偵察を行うため「中国領空に繰り返し接近」したと述べた。中国が西沙と呼ぶパラセル諸島は、ベトナムも領有権を主張している。
譚は、オーストラリア軍機が「中国の主権と安全を著しく脅かした」と述べた。そして、オーストラリア軍機を特定し、空域から立ち去るよう警告を与えた中国機の対応は「軍人として当然であり、安全で、合理的で、合法的だった」と語った。