最新記事

中国

【再現動画】東・南シナ海で中国機がカナダ機と豪機に仕掛けた危険な嫌がらせ

China Fires Back at Canada and Australia Over Actions of Air Force Pilots

2022年6月8日(水)17時20分
ジョン・フェン

オーストラリア国防省は5日、オーストラリア空軍のP-8海上哨戒機が「南シナ海地域の国際空域で定期的な海上監視活動中に」中国軍の殲16戦闘機に異常接近されたと発表した。

「この異常接近は、P-8航空機とその乗組員に安全上の脅威をもたらす危険な行為だった」と声明は述べている。

5月に行われたオーストラリアの総選挙でアンソニー・アルバニージー新首相誕生と共に国防相に就任したリチャード・マールズも、中国の殲16(J16)戦闘機がオーストラリアの航空機乗務員の目の前で「フレア(近距離からミサイル攻撃を回避するための熱源)を放出」したと記者団に説明した。

「その後、J-16は加速してP-8の機首を横切り、P-8の前方から非常に近いところまで接近した。次の瞬間、アルミニウムの小片を含むチャフ(レーダーを攪乱するための金属片)の束を放出した。その一部はP-8航空機のエンジンに吸い込まれた」

カナダと同様、オーストラリアも中国政府に直接、この問題に対処を求めたという。だがいずれの場合も、静かな外交では効果がなさそうだ。

軍事力の増強に伴い、南シナ海における権益をめぐる主張を強引に確保しようとする中国の攻撃的な行為が目立ってきた。特に、東シナ海や南シナ海で行われる米海軍や空軍の作戦には強い反発を示している。

台湾や日本に軍事的圧力

アメリカとその同盟国は、航行と上空飛行の自由という国連の原則に基づき、国際法に従って活動を継続することを誓っている。

一方、中国は軍事戦略上定めた「第一列島線」を越えて力を誇示し、同じく領有権を主張する台湾や日本への軍事的圧力を強めている。

アナリストらは、軍人としての倫理に反する行動、特に空中での行動は、致命的な事故につながりかねず、中国と西側諸国の緊張をさらに悪化させるのではないかと懸念している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲うウクライナの猛攻シーン 「ATACMSを使用」と情報筋
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 8
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中