世界には銃乱射後数日で武器使用を禁止できた国もあった
How New Zealand's Political System Restricted Guns Days After Mass Shooting
訪米してバイデン大統領と会談したニュージーランドのアーダーン首相(5月31日) Leah Millis-REUTERS
<訪米してバイデンと会談したニュージーランドのアーダーン首相には、銃規制成功の秘訣について記者たちから質問が飛んだ>
テキサス州の小学校で19人の児童と2人の教師が死亡した銃乱射事件から1週間。アメリカでは銃規制で銃乱射事件が防げるかどうかをめぐって、民主・共和両党の議員の意見が大きく分かれたままだ。
だがニュージーランドでは、2019年の銃乱射事件で死者50人と多数の負傷者が出た後、わずか数日で銃規制が実施された。
5月31日にホワイトハウスでジョー・バイデン大統領と会談したニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は、半自動銃の大半を禁止することに成功した自国の取り組みについて語り、両国の政治体制は「非常に異なる」と指摘した。
テキサス州ユバルデ市のロブ小学校で起きた銃乱射事件は、全米に深い悲しみと激しい怒りを引き起こし、アメリカと他の国々を比較するきっかけにもなった。
バイデンは、テキサスで銃乱射事件が起きた5月23日に「このような銃乱射事件は世界のどこでもめったに起こらないという思いに打たれた」と言った。
「精神的な問題を抱えた人は他の国にもいる」と、バイデンは語った。「家庭に問題のある人たちもいる。自分を見失った人たちもいる。だが、アメリカほど頻繁に、銃による大量殺人が起きる国はない」
迅速な対応と規制
31日にホワイトハウスの外で記者会見をしたアーダーンは、2019年にニュージーランドの2つのモスクで銃撃事件が起きた後、国民は 「何が問題かわかったなら、それを解決することを期待していた」と語った。
「両国の政治システムが非常に異なることが前提だが」と、彼女は言った。「私たちは問題を解決することができた。国会議員の満場一致の支持を得て、半自動小銃、軍用小銃、アサルトライフルを禁止できた」(実際は119対1だった)。
ニュージーランドの国民も「それを何より期待していた」と、アーダーンは付け加えた。
New Zealand Prime Minister Jacinda Ardern on passing a semiautomatic weapons ban just 12 days after a 2019 mass shooting in her country:
— The Recount (@therecount) May 31, 2022
"In the aftermath of that, the New Zealand public had an expectation that if we knew what the problem was, that we do something about that." pic.twitter.com/dwkXxPiAQZ
ニューヨーク・タイムズによれば、アーダーンはテロ事件の数日後に武器の一時的な使用禁止を発表し、数週間のうちに議会の支持を得て武器使用の禁止を恒久化させる法案を成立させた。
当時の演説でアーダーンは、「議会がこのように団結するのを見たことはほとんどなく、今ほどそれが必要な状況は想像できない」と称賛した。