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米司法米最高裁、中絶の権利認めない判断 73年の判決覆す
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米連邦最高裁は24日、人工妊娠中絶を憲法上の権利と認める1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆す判断を下した。(2022年 ロイター/Evelyn Hockstein)
米連邦最高裁は24日、人工妊娠中絶を憲法上の権利と認める1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆す判断を下した。これによって、各州が中絶を制限する州法を施行することが可能となり、現時点で少なくとも26州が中絶の禁止に動くとみられている。
今回の判断は、妊娠15週以降の中絶を原則禁じるミシシッピ州法の合憲性を巡るもので、保守派判事6人が合憲と判断、リベラル派判事3人が反対した。ロー対ウェイド判決を覆す判断については、保守派判事5人が支持。リベラル派判事3人が反対したほか、ミシシッピ州法を支持したロバーツ最高裁長官は、ロー対ウェイド判決を覆す判断は示さなかった。
ロー対ウェイド判決は胎児が子宮外で育成可能になる妊娠24─28週間までの中絶を認める内容。保守派のアリート判事は判決文草案で「憲法は中絶の権利を明記しておらず、いかなる憲法の条項によっても黙示的に保障されていない」とし、73年の判断は間違っていたという見解を示した。
リベラル派のブライヤー、ソトマイヨール、ケーガンの3判事は反対意見を共同執筆し、「今回の判断の結果は明らかだ。女性の権利および自由で平等な市民としての地位を縮小させる」という認識を示した。
