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ロシア軍ロシアが追加派遣した最新式戦車T-90Mの致命的欠陥
Russia Sends Most Advanced Tanks to Ukraine in Bid to Turn the Tide of War
ウクライナ軍に破壊されたロシアのT-90M戦車(5月9日、ハルキウ) Vitalii Hnidyi-REUTERS
<ロシアが仰々しくウクライナに送り出した最新型戦車は、既に前線で弱点を露呈した戦車なのだが?>
ロシアは、ウクライナに駐留する部隊に向けて、最新型戦車T-90M「プラルィヴ(Proryv)」の一群を送った、とイズベスチヤ紙が伝えている。
同紙の報道によれば、戦車製造会社としては世界最大とされるロシアのウラルヴァゴンザヴォード社が、「ロシア国防省に向けて、T-90Mプラルィヴ戦車を送り出す厳粛な式典を執り行った」という。
このニュースは、ロシア国営の国内通信社RIAノーボスチも報じており、その日の人気記事のひとつになっていた。
戦車は、ロシアの愛国的な行進曲「Farewell of the Slav(スラブ娘の別れ)」(1912年の第一次バルカン戦争で、夫に同行したスラブ人女性たちのために作曲されたもの)が流れるなか、列車に積まれ、前線へ送られた。RIAノーボスチいわく、戦車は「厳粛な式典」のなかで、ドミトリー・ドンスコイ教会のジョン・ブラギン司祭の祝福を受けた。
また、RIAノーボスチの報道によれば、ウラルヴァゴンザヴォード職員の子どもたちから寄せられた絵や手紙が、「ロシア兵士に対するわれわれの支援の象徴、彼らの勇気への尊敬と信頼の証」として戦車に積みこまれたという。
ウラルヴァゴンザヴォードは、ロシア国営の軍事コングロマリット、ロステック(Rostec)の子会社であり、ウラル山脈東麓の工業都市、スヴェルドロフスク州のニジニ・タギルを拠点としている。
ジャック・イン・ザ・ボックス効果
T-90M戦車は、ウラル輸送機械工場設計局が開発したモデルで、T-90シリーズ戦車の最新型とされている。
RIAノーボスチはこの戦車について、「現代戦の条件における戦闘に最も適応している」と書いている。同通信社によれば、T-90Mは、ほかのマシンとリアルタイムでデータをやりとりできるという。
イズベスチヤ紙の説明によれば、T-90M戦車の回転式砲塔は、内部に多数の弾薬を搭載するタイプだ。西側の防衛専門家らは、ロシアがウクライナで戦車の甚大な喪失を被ったことには、回転式砲塔内部に弾薬を多数搭載するという設計上の欠陥が寄与していると指摘しており、T-90M戦車にも同じ設計状の欠陥が見られることになる。
専門家らがCNNに語ったところによれば、西側諸国の軍隊は、ロシア軍戦車の「ジャック・イン・ザ・ボックス効果」を昔から認識していたという。ジャック・イン・ザ・ボックスは、ナイフを刺すと樽から海賊が飛び出すオモチャ。ロシアの戦車は弾薬を砲塔内に搭載しているため、攻撃を受けると引火して爆発する危険性が高いのだ。
イズベスチヤ紙によれば、T-90M戦車は125mm砲のほか、誘導ミサイルを搭載しており、誘導ミサイルは、飛行中のものも含め、「最長5kmの距離にいる」装甲のあるターゲットを攻撃できるという。
ロシア国防省は、ウクライナに戦車を派遣したことについて正式には認めていない。本誌は、同省にコメントを求めている。
(翻訳:ガリレオ)
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