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バイデンがまた「台湾防衛」を明言、今こそ「戦略的曖昧性」を捨てるとき

Away From Strategic Ambiguity?

2022年5月31日(火)14時15分
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)

そもそも今の中国軍は実戦経験を欠く(最後の戦いは1979年のベトナムとの国境紛争だが、このときもかなり苦戦した)。水陸両用の車両は皆無に等しく、兵士の訓練はお粗末。陸海空3軍の連携も乏しい。しかも台湾の海岸線は地形が険しい。そして台湾軍は、有事に備えた市街戦の訓練も積んでいる。

もちろん中国も、その海軍力と空軍力を懸命に増強してきた。その領海にアメリカを含む外国の艦艇が近づくのを防ぐためだ。

そして言うまでもなく、習近平は台湾を自国の領土と見なし、「必ず取り戻す」と公言している。それは建国以来の揺るぎなき立場だ。だから台湾の安全保障が問題となるたびに、アメリカと中国の緊張は高まる。互いに譲れない立場があるからだ。

そうであれば、そろそろアメリカは伝統の「戦略的曖昧性」を捨て、もっと立場を明確にすべきではないか。少なくとも、その方向の議論をオープンに始めるべきだ。具体的に言えば、アメリカは台湾防衛のために何を、どこまでやるかを明確にすること。ごまかすのもいいが、自己矛盾に陥ってはいけない。

©2022 The Slate Group

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