最新記事

ウクライナ

約3900円の「ゼレンスキー大統領のフリース」人気すぎて品切れ フーディは購入可能

2022年5月11日(水)19時30分
佐藤太郎

YouTube/CityNews

<ゼレンスキー大統領を象徴するフリースのブランドは「M-TAC」。米国在住のウクライナ人経営者によると、「ゼレンスキー効果」によって多くのアイテムが品薄状態という>

5月8日にイギリスの在英ウクライナ大使館で行われたオークションで、ゼレンスキー大統領のトレードマークとも言える、オリーブグリーンのフリースジャケット(ひじの部分に直筆サイン入り)が日本円で約1,400万円という驚きの価格で落札されたニュースは多くの注目を集めた。なお落札者は明かされていない。

●9万ポンドで落札されたことを報告した在英ウクライナ大使館

2月24 日にロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、ゼレンスキー大統領の姿を見ない日はないと言っていいほど。

米国のナンシー・ペロシ下院議長との会談でも、地下鉄の駅から国際的なメディアに向かって話すときでも、いつでもオリーブグリーンのTシャツやフリースジャケットを決まって着続けてきた。

●キエフでナンシー・ペロシ米国下院議長を迎えた時もオリーブグリーン


こうしてオリーブグリーンの服は、単なる衣服から今では最高司令官としてのゼレンスキー大統領の正装として特別な意味を持つまでになった。

フリースはウクライナ製。同ブランドのアイテムは購入可能

ウクライナ侵攻以来、リサーチ能力に長けたネットの猛者たちはゼレンスキー大統領が着る衣服のブランドを探し、一部を特定した。それによると彼の定番は、カリフォルニアのアウトドア向けレーベル「5.11」やオーストリアの防寒具メーカー「Carinthia(カリンシア)」の製品という。

5月8日のオークションで落札された件のフリースジャケットは、「M-TAC」というウクライナのタクティカルギアメーカーのもので、通常は30ドル(約3900円)程度で販売されている。「特定するまでに、塹壕や病院を訪れるゼレンスキーの画像をどれだけ見たことか...」と、あるReddit(レディット)ユーザーは書いている

zelenskyysiconicfleece-220511-002.jpg

PHOTO VIA Reddit

ただ残念なことに、ゼレンスキー大統領と同じフリースジャケットを手に入れるのは当分の間、難しいようだ。ウクライナでの生産が困難になり、現在は在庫切れの状態だ。

米国で「M-TAC」を経営するウクライナ人のタラス・ルドニツキーさんは「このフリースに興味を持ち、欲しがる人がたくさんいる」と話す。ゼレンスキー大統領と同じフリースを着ることで、戦士の精神が高まるというのが、購入の動機だそうだ。時期は未定だが、将来的には再入荷する予定という。

ルドニツキーさんによると、「M-TAC」の製品は、ウクライナ軍に直接供給されているわけではないものの、ウクライナ最大のタクティカルギアメーカーのひとつ。米国でも広く展開されている。

「ゼレンスキー効果」により、フリースジャケット以外の「M-TAC」の他のアイテムも米国とウクライナの両方で品薄になっている。ゼレンスキー大統領と同じフリースをすぐに手に入れることはできないが、米国のサイトでは同じラインのフーディは30ドル(約3900円)で販売されている。スニーカーは32ドル〜、タクティカルパンツは60ドル〜と、一般にも手に取りやすい良心的な価格帯のアイテムが揃う。

ロシアのプーチン大統領が着ていた1万4000ドル(約180万円)のロロピアーナの高級ダウンとは桁違いだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、TikTok巡る最終案を2日に検討=米

ワールド

米政権、保健機関職員の解雇開始 厚生省1万人削減計

ワールド

イスラエル、米製品への残りの関税撤廃 トランプ関税

ビジネス

世界長者番付、マスク氏首位に返り咲き 柳井氏30位
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中