子どもに急増する原因不明の急性肝炎、飼い犬と関連?
Mystery Hepatitis Disease Killing Children Might Be Linked To Dogs: CDC

発症した子どもの家庭では犬を飼っている割合が比較的高かったが、関連の有無はまだ不明だ shironosov-iStock.
<原因不明の急性肝炎を発症する子どもが相次ぎ、5人が死亡した件で、アメリカの疾病予防管理センター(CDC)は、飼い犬との関連性について調査中だ>
米保健当局がこれまでに確認した原因不明の急性肝炎の症例は109件。患者は就学前の子どもに集中しており、過去7カ月のあいだに24州と米領プエルトリコで発生した。
CDCの感染症担当副所長ジェイ・バトラーは5月6日の記者会見で、患者の約90%が入院し、14%は肝移植が必要だったことを明らかにした。患者は全員、発症するまでは健康面に何の問題もなかった。
同様の症例は、米国以外でも発生している。世界保健機関(WHO)の発表によると、5月1日現在、同じ急性肝炎だと考えられる症例が20カ国で228件確認されており、その大半は欧州と米国だ(注:厚生労働省によると、日本では6日までに7人、似た症状の患者が報告されている)。
急性肝炎の患者数急増と犬との関連性は、英国保健安全保障庁(UKHSA)が5月6日に発表した報告書で、可能性が示された。
英国では5月3日現在、子どもの急性肝炎が163件報告されている。UKHSAの報告書によれば、今回の急増を説明する仮説として有力なのは、アデノウイルスとの関連性だ。アデノウイルスは広く存在しているウイルスで、通常は軽い風邪やインフルエンザのような症状を引き起こす。
犬を飼っている家庭が
同時に報告書は、ほかの環境要因についても考察している。UKHSAが実施したアンケート調査を再検討した結果、発症した子どもの家庭で犬を飼っている割合が比較的高かったことが判明したという。判明している限りでは、70%の家庭が犬を飼っていた。ただし、英国では犬を飼うのは一般的だという指摘もある。
CDCのバトラーによると、米国で確認された症例の半数以上でも、アデノウイルスの陽性反応が出た。CDCは、犬との接触を含めたありとあらゆる要因について、調査を続けていると話した。
「私たちは、範囲を広げてさまざまな原因を探っている。そして、アデノウイルスの陽性反応に関するデータが、偶然のものなのか、あるいは何らかの他の共通の要因がこれまでにあまり見られなかったかたちでアデノウイルスを発現させたのかについては、先入観を持たないようにして調査を行なっている」とバトラーは述べた。
保健当局によれば、子どもの肝炎リスクは依然として低い水準だ。主な症状としては、嘔吐する、尿の色が濃くなる、便の色が薄くなる、黄疸が出て肌や白目の部分が黄色く変色する、などがある。