最新記事

対ロ関係

「ドイツは本当に西側の仲間なのか」英ウクライナ特使

Boris Johnson's Ukraine Trade Envoy Says Germany 'Not Totally Our Friend'

2022年4月28日(木)11時01分
デービッド・ブレナン

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は4月初め、キーウ(キエフ)近郊の町での虐殺をロシア軍の仕業だと述べ、ロシア側がそれを否定していることに言及した。そして「メルケル前首相とニコラ・サルコジ元フランス大統領を虐殺が起きたブチャに招待する。ロシアに譲歩する政策がこの14年間で何をもたらしたかを見てもらいたい」と語った。

AFP通信によれば、ゼレンスキーのメッセージに対し、メルケルの報道担当者は「ブカレストで行われた2008年のNATO首脳会議においてウクライナのNATO加盟を阻止した自身の判断を今も支持している」という声明を出した。

さらに「ブチャをはじめウクライナ各地で発覚した残虐行為を考慮し、ウクライナの側に立ち、ロシアの野蛮さとウクライナに対する戦争を終わらせるための各国政府と国際社会によるすべての努力を、メルケル前首相は完全に支持する」と、付け加えた。

だがメルケル時代の他の政府高官たちは、もっと深い悔恨の意を表している。メルケル政権の外相を務めていた社会民主党のフランクワルター・シュタインマイヤー元大統領は、長年にわたってロシアとの融和を主張してきたことについて「自分は、他の人と同様、間違っていた」と語った。

ロシア依存の責任

ロシアはユーラシア大陸の協力関係の中で信頼され、評価される存在になりうるとドイツは希望を抱いていたが、それは間違いだった。そのことに、メルケル首相は大きな責任がある、とマイヤーは述べた。

「メルケル首相は東ドイツ出身で、ロシアに対する姿勢がわれわれの立場と大きく異なっていた」と、マイヤーは指摘した。「ドイツが多くの点でロシアに依存する態勢をとったことについて、メルケルは非難されるかもしれない。そう、ドイツは現時点で、完全にわれわれの仲間とはいえないと思う」

20241126issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰

ワールド

トランプ氏、安保副補佐官に元北朝鮮担当ウォン氏を起

ワールド

トランプ氏、ウクライナ戦争終結へ特使検討、グレネル

ビジネス

米財務長官にベッセント氏、不透明感払拭で国債回復に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでいない」の証言...「不都合な真実」見てしまった軍人の運命
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 6
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 9
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 10
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 9
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 10
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中