「ドイツは本当に西側の仲間なのか」英ウクライナ特使
Boris Johnson's Ukraine Trade Envoy Says Germany 'Not Totally Our Friend'
とはいえ、ロシアがウクライナに侵攻したことで、ドイツはロシアとの関係に歴史的な再評価をせざるをえなくなった。今年2月、今回の侵攻は「新しい時代」の始まりだとショルツは述べた。
数十年にわたる対ロシア融和政策がすぐに放棄されることをドイツの同盟国は期待したが、そうはいかなかった。邪魔をしたのは、ドイツ政財界のエリートたちのロシアとの深い結びつきだ。
ショルツは、ドイツがロシア産化石燃料への依存から離脱するためには時間が必要だと述べた。EUのロシア産石炭輸入禁止はドイツの圧力で1カ月先延ばしになり、8月に実施する予定だ。ドイツの輸入量の半分を占めるロシア産天然ガスに関しては、完全な輸入停止は2024年半ばになる見通しだ。
直ちに禁輸措置をとれば、数十万人の雇用を犠牲にする深刻な不況を招きかねないと、ショルツは繰り返している。
EUは現在、ロシア産石油の輸入制限を含む第6弾の制裁を検討している。躊躇しているのはドイツだけではない。ハンガリー、イタリア、オランダなど他のEU諸国も、ロシア産化石燃料の輸入禁止には慎重な姿勢をとっている。
ロシアは27日、ポーランドとブルガリアへの天然ガス供給を止め、一段と圧力を強めている。
問われる西側の覚悟
「私が気になるのは、西側諸国の結束がいつまで続くかということだ」と、マイヤーは25日の講演で語った。
「すでに亀裂は見え始めている。ロシアが戦争の速度を上げれば、ウクライナへの支援を強化しなければならないという西側への圧力は高まっていくだろう。ウクライナへの軍事支援はもうすぐ、ロシアと直接戦争をしないという西側の方針が成り立たないほどのレベルになってしまう」
「そこで2つの大きな疑問がある。われわれにはロシアとの全面戦争にどこまで踏み込む覚悟があるか?そして、どれだけの経済的苦痛を耐える覚悟があるのか?この答えが、西側諸国の結束を左右すると思う」
「ウラジーミル・プーチンが勝利を収めれば、NATOが中立を唱え、アメリカ軍が不在のなかでは、ロシアがヨーロッパ全体を勢力圏におさめる道を歩むことになる」と、マイヤーは主張した。
アンゲラ・メルケル前首相とその政権は、対ロシア政策での失敗を厳しく批判されている。16年間に及ぶメルケル政権下で、2本の天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」など、ロシアとの共同事業が進められた。またメルケルは、2008年にウクライナのNATO加盟を阻止する側にも加わっていた。
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