仏大統領線、ルペンへの「極右アレルギー」後退 決選投票はマクロン僅差の戦いも
ルペン氏は10日の演説で、「分断された」国民を団結させ、マクロン氏がもたらした「混乱」に終止符を打つのは自分だとアピールした。ルペン氏によれば、銀行出身のマクロン氏は「金の力」を体現する政治家で、ごく少数の人々のために奉仕してきたという。
読めない左派票の行方
マクロン氏側は、左派有権者も取り込むことができない。予想得票率3位で極左「不屈のフランス」を率いるジャン・リュク・メランション氏は、有権者らにルペン氏には票を入れないよう求めたものの、マクロン氏支持は明言しなかった。つまりメランション氏が獲得しそうな21%の有権者票が決選投票でどこに向かうか予断を許さない。世論調査からは、多くが棄権に回る可能性がうかがえる。
メランション氏の選対本部に詰めていたある女性有権者(27)はロイターに「マクロン氏の政策が極右の勢力を強めた」と言い切った。この女性は17年にはマクロン氏に投票、今回の決選投票は棄権するつもりだという。
別のメランション氏支持者の音楽プロデューサー(36)はなお迷っている様子で「この2週間の推移を見守る。もし世論調査で(マクロン氏が)49対51で劣勢なら、その時点でマクロン氏に投票する」と答えた。
マクロン氏の支持者や選対関係者は、ルペン氏を倒すには有権者のところにもっと足を運んで支持を訴える活動をする必要があるとの見方を示した。ルペン氏が国民の間に広がった生活費増大に対する怒りや、根強い反エリート感情にうまく乗じて支持を伸ばしてきたからだ。
マクロン氏自身も、ウクライナ問題への対応に追われて選挙活動に入るのが遅すぎたと認めている。元駐米大使のジェラール・アロー氏はツイッターに「決選投票では、マクロン氏は第1回投票よりもいささか(選挙戦に)本腰を入れる必要が出てくる」と書き込んだ。
(Michel Rose 記者)
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