K-POPバンドの差別的歌詞は「すべて事務所のせい」──メンバーに大甘のファン
K-Pop Fans Demand Apology After Epex Song Seemingly References Nazi Pogrom

EPEXのメンバーは悪くない? C9 ENTERTAINMENT
<ナチスのユダヤ人虐殺に触れる歌詞を歌うメンバーの責任を問うのはフェアじゃない、とK-POPファンが言う理由は>
Kポップグループ「EPEX(イペックス)」の歌詞が物議を醸すなか、ファンたちが謝罪を要求している。ただし、EPEXにではなく、所属事務所とレーベルにだ。
EPEXは4月11日、サードミニアルバム『不安の書 Chapter1:21世紀の少年たち』と、アルバムからのリードシングル「学院歌(Anthem of Teen Spirit)」をリリースした。歌詞サイト「ジーニアス(Genius)」にある翻訳によれば、この曲の歌詞は「砂糖がけの悪魔」に言及し、その主たるメタファーとして「水晶」を使っている。サビ前の部分の歌詞は、こうなっている。「今夜は、水晶/ぼくらを守っていたものが粉々になる/獲物になる前に/そう、引き金を引け、クリッククラック、ブルルル....」
だが、Kポップファンが眉をひそめたのは、サビの歌詞だ。「Boom!/やつらがナマ焼けになるのが見える/水晶の夜が来る/クリッククラック、ブルルル、そう/Boom!/ここは戦場だ/援護しろ、援護しろ/追え、そして逃げろ」
「水晶の夜」というフレーズは、ドイツ語のクリスタルナハトと同じだ。「水晶の夜」は、1938年に起きた反ユダヤ主義暴動のことだ。ユダヤ人の所有する商店やシナゴーグが襲撃され、「割られて路上に散らばったショーウィンドウの破片が、月明かりに照らされて水晶のように輝いていた」とされるが、ナチス政権はそれを止めずに黙認していた。
その夜の襲撃で90人以上のユダヤ人たちが殺され、それに続く暴行や自殺により、さらに数百人が命を落とした。ドイツおよび、ドイツに併合されたばかりのオーストリアとズデーテン地方(現チェコ領)で、7000軒超にのぼるユダヤ人の商店と、267のシナゴーグが破壊された。
MVにはナチス風イメージ
問題の歌詞に明白な反ユダヤ的表現は見られないが、元の韓国語の歌詞では、「水晶の夜」というフレーズが、歴史上の事件としてのクリスタルナハトを指す含意で使われている。また、この曲のミュージックビデオに登場するナチス風の制服がクリスタルナハトを示唆していると見る人たちもおり、ファンたちはそれも非難している。
このビデオには、EPEXのメンバーが、牢獄内の射撃場で銃を向けられている場面がある。あるシーンでは、バンドメンバーのひとりが牢屋のドアの向こうにいるが、そのドアには「異端の異端は常識であった」と書かれている。これは、ジョージ・オーウェルのディストピア小説『1984年』からの引用だ。
物議を醸す歌詞をめぐって議論になったほかのケースとは異なり、ファンたちは、バンドそのものを非難するのではなく、レーベルと所属事務所「C9エンターテイメント」に矛先を向けている。この曲のクレジットには、バンドメンバーの名前は書かれていない。また、ロサンゼルス・タイムズによれば、Kポップの活動は、米国のスターと比べてはるかにがっちり管理されている。所属事務所がグループのイメージ全体を管理しており、必要条件を満たさないと判断されたら、メンバーの入れ替えにも躊躇しない。