ロシアはウクライナを南北朝鮮のような分断支配に持ち込むつもり
Putin Plans to Split Ukraine in Two a la Koreas: Ukraine Intel Chief
ウクライナ東部の親露派2州を一方的に独立承認したプーチンに抗議するデモ(2月22日、キエフのロシア大使館前) Umit Bektas-REUTERS
<キエフ陥落と親露派政権樹立に失敗したロシアは、「朝鮮半島型」のウクライナ支配に狙いを定めた?>
ウクライナ国防省のキリロ・ブダノフ情報総局長は27日、ロシアはウクライナを2つに分け、第2次大戦後の朝鮮半島のような東西陣営による分断支配に持ち込むつもりだろうと述べた。
ロイター通信によると、「ロシアはウクライナに北朝鮮と韓国を作ろうとしている」とブダノフは主張、そのような事態を防ぐためにウクライナ軍はロシア軍を激しく押し返すだろうと付け加えた。
「もう少しすれば暖かくなり、全ウクライナが反攻に打って出る季節が始まる。そうなれば、ロシア側に残された現実的なシナリオは、いかにして生き残るかという一点になる」とも語った。
ロイター通信によると、同日、親ロシア勢力が実効支配するドンバス地方では、ウクライナからの独立を一方的に宣言した反政府組織ルハンスク人民共和国の指導者が、ロシアへの編入について近く住民投票を実施する可能性があると述べた。ドンバスはウクライナ東部のルハンスク州とドネツク州からなる地域で、ロシアの支援を受ける分離主義者が支配している。
東部地域を「解放」
一方、ロシア軍の最高司令官は、25日、ロシア軍の戦いの焦点をウクライナ東部の「解放」に移すと述べた。ウクライナ侵攻から一カ月、当初の目標だったキエフ陥落に失敗したためではないかとみられている。
ロシア参謀本部の作戦本部長セルゲイ・ルドスコイ将軍は、「ロシア軍の兵力は、ドンバス地方の完全な解放に集中するだろう」と述べた。
米国防総省のある高官は26日、ABCニュースに対してロシア軍の計画が変わったことを確認。ロシアはウクライナ東部で戦績をあげることを「停戦交渉の場で少しでも優位に立つための戦術」とみており、同地域からウクライナ軍を排除しようとしているのではないかと述べた。
ウクライナ東部では、長い間、激しい戦いが繰り広げられてきた。2014年にロシアがクリミアを併合した後、ロシアに忠誠を誓う反政府勢力がドネツク州とルハンスク州の庁舎を占拠し、この地域を自分たちのものとするための戦いを開始した。以来、この地域では1万3000人以上が戦闘で死亡している。
ルドスコイによると、現在、ロシアの支援を受けた分離主義者はルハンスク州の93%、ドネツク州の54%を支配している。