ウクライナ戦争を陰で支える中国に制裁を
China's Behind-the-Scenes Role in Ukraine War
外交的ボイコットが相次いだ北京冬季五輪の開会式に出席したプーチン(2月4日) Sputnik/Aleksey Druzhinin/Kremlin/REUTERS
<侵略者のプーチンが報いを受けるのは当然だ、とバイデンは言った。そうであれば、その侵略を助ける中国も報いを受けるべきだ>
ウクライナでの戦争で中国の習近平国家主席が果たしている役割は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に比べればずっと目立たないものだ。だが中国もまた、この戦争の当事者であることは間違いない。ただ中国が、ロシアが既に感じているような戦争の余波を感じることになるかどうかは、まだ不透明だ。
ジョー・バイデン米大統領は3月11日、アメリカがNATOや欧州連合(EU)、主要7カ国(G7)と協調して、ロシアに対する貿易上の「最恵国待遇」撤廃を目指すと発表した。バイデンはまた、ロシアの主要輸出品である魚介類、ウォッカとダイヤモンドの輸入禁止と、ロシアへの高級品の輸出禁止もあわせて発表した。
「プーチンは侵略者だ」とバイデンは11日に述べた。「だからその報いを受けるべきだ」
バイデンの言うとおりだ。しかしそれなら、ウクライナでの戦争に関してとりわけ重要な役割を果たしている中国もまた、報いを受けるべきだ。
中ロが宣言した「無制限の」協力関係
習近平は2月4日に、冬季五輪の開会式のために北京を訪れていたプーチンと会談を行い、両国の「無制限の」協力関係を宣言する共同声明を発表した。この会談後にロシアは、中国に大量の石油、天然ガスと石炭を追加供給することを発表。さらに中国はその後、病害を理由に制限していたロシア産小麦の輸入を解禁した。言い換えれば、中国はロシアに対して、東欧で戦争を起こすための資金を提供しているのだ。
中国政府はこれに加えて、アメリカとヨーロッパによって国際的な決済システム「国際銀行間通信協会(SWIFT)」から排除されたロシアの銀行が、中国独自の決済システム「CIPS」を使えるようにしており、ロシアの銀行は近いうちに、中国版SWIFTである同システムに参加する見通しだ。また米クレジットカード大手のビザとマスターカードがロシアでの決済事業を停止したことを受けて、ロシアの銀行は中国のクレジットカード「銀聯(ユニオンペイ)」のカードを提供している。
さらに中国政府は、自国の外交官をロシア国内での任務に就かせており、また国営メディアを使って、ウクライナでの戦争に関するロシアのフェイクニュースを広めている。