【ウクライナ・ポーランド国境現地ルポ】ドイツの難民受け入れ......市民の活躍と差別論
ボランティアの1人、ウクライナ人のVitalij Selenskiヴィタリ・セレンスキはトラック運転手だったため、たまたま国外にいた(18歳〜60歳のウクライナ男性は国外に出られない)。しかし、妻と3人の子供がまだ原発のあるザポリージャに残されている。家族が脱出でき次第、ニュルンベルクの知己の元に身を寄せたいと考えている。東部では、飲料水の不足で命を落とす人が多いようだ。
[video] Kai Morgenstern for Newsweek Japan; translated by Yoko Morgenstern and Kai Morgenstern (翻訳は最後に)本稿は3月8日、国際女性デーに執筆している。なんと、この日はウクライナでは国の祝日となっているそうだ。男性が女性たちに花を買うのが通例だが、今年、ウクライナの女性たちは、花はいらないから男たちが身一つで無事に帰ってくるよう祈っているという。
わが家に身を寄せているのも女性2人と少女2人、メスのネコ1匹だ。ペットがいるため、ニュルンベルク市のシェルターには入れない。ロシアにいる友人や親戚の中には、戦争が起こっていることをまるで信じてくれない人もいるのだという。
活発な7歳の次女の屈託のない笑顔が救いだ。だが、最初の夜、夕食の時に電気をつけるととても喜んだり(ザポリージャでは空襲のため、夜間の点灯が禁じられていた)、頭上をすぎる航空機に一瞬足を止めたりする姿に、胸が痛んだ。
【ビデオ翻訳】
(こちらはヴィタリ・セレンスキです)
私はウクライナ人です。ここはポーランドです。私たちウクライナ人を助けにきた彼らの活躍は素晴らしいです。ポーランド人や、ドイツ人や、そこの上のベッドにはフランス人がいます。ウクライナのために来てくれたんです。私はロシアのコサックであり、ウクライナのコサックです[コサック=ここでは愛国者の意]。
(彼は今国境の反対側にいる家族を待っています。明朝こちらに着いたら、ニュルンベルクに発ち、そこにいる親戚や友人の元に身を寄せるつもりです。無事に着きますよう)