ウクライナの欧州最大の原発で火災、ロシア軍の攻撃で=当局者
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欧州最大規模のザポリージャ原子力発電所で、未明にロシア軍の攻撃により火災が発生した。写真はザポリージャ原子力発電所への攻撃。 Вікна-новини / YouTube
ロシア軍が4日未明、ウクライナ南東部にある欧州最大規模のザポリージャ原子力発電所の一帯を攻撃し、ウクライナ緊急サービス当局は原発の敷地の外にある訓練用建物で火災が発生したと明らかにした。
ウクライナ当局は、ロシアが同原発の制圧に向けた動きを強め、戦車で市内に入ったとしていた。
ロイターが確認した映像には、原発の敷地近くの建物が砲撃を受け煙が上がっている様子が映っている。
これより先、原発に近いエネルゴダールの市長は、原発近隣でウクライナとロシア軍の激しい戦闘が起き、ザポリージャ原発で火災が起きていると対話アプリで発言。クレバ外相も、ロシア軍の総攻撃によりザポリージャ原発で火災が発生しているとツイートしていた。
「ロシア軍は、欧州最大のザポリージャ原発に全方向から砲撃している」とし、「火災がすでに発生している。爆発すればチェルノブイリ原発の10倍の被害が出る」と述べた。
ロシア通信(RIA)はウクライナ原子力当局の話として、ザポリージャ原発の発電ユニット1基がロシア軍の攻撃で被弾し、発電所の一部が燃えているが、消防隊が攻撃を受けていて消火活動を開始できないと伝えてた。
米ホワイトハウスによると、バイデン大統領は3日夜にウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、ザポリージャ原発の状況について説明受けた。バイデン氏は、原発周辺での軍事活動の停止および緊急対応要員の現地立ち入りを認めるようロシアに要求するという認識をゼレンスキー氏と共有したという。
グランホルム米エネルギー長官はツイッターへの投稿で、同原発が「強固な格納構造で保護されており、原子炉は安全に停止されている」、「原発周辺で放射能レベルの上昇は見られない」と述べた。
国際原子力機関(IAEA)はツイッターに、原発周辺の砲撃報道を認識しており、ウクライナ当局と連絡を取っていると投稿した。
