怒れるウクライナ市民たちが丸腰でロシア戦車に立ち向かっている
各地に広がる抵抗運動
ウクライナ各地では、このほかにも市民による抵抗運動が広がっている。ニュース専門局『ユーロ・ニュース』は、車列の前にウクライナ旗を拡げて立ちはだかる人々の動画を取り上げている。人々は進路を奪われた軍車両を取り囲み、「撃ってみろ、私は丸腰だ」「なぜここへ来た。帰れ。まだ生きているうちに」と怒りをあらわにする。
英ガーディアン紙は市民たちによる複数の反抗活動を報じている。動画内1件目は冒頭のメリトポリでの一件と重複するが、2件目は東部クピャンスクの町を通るジープに迫る人々を捉えた映像だ。
ロシア軍の車両であることを目ざとく見抜いた町の住民が瞬時に駆け寄り、車両を停めようと試みる。一見して一般車両のようにもみえるが、同型車両を使用するウクライナ軍と判別するために設けられた「Z」の記号を確認できる。
市民は集団で車両を囲み、うち一人は危険を顧みず車両によじ登ると、フロントガラスを破壊しようと試みた。車両は逃げるように速度を上げ、この住民は振り落とされ地面に叩きつけられた。
動画の3件目は北部チェルニヒウの町での出来事で、こちらは戦車を先頭にした車列を住民たちが食い止めている。全員で口ずさむウクライナ国歌が、静かな怒りと団結を感じさせる。
士気の低下が指摘されるロシア軍は、眼前に迫る生身の市民を相手に動揺を隠せないようだ。