「プーチンは顔も考え方も以前とは違う」
Former CIA Op: Putin Looks Like He's Crossed Over to 'Dark Side of History'
彼は血迷ったのか(2月27日、核兵器をチラつかせるプーチン)Russian Pool/Reuters TV
<CIA元工作員が指摘した「過去の挫折のトラウマ」と「コロナ禍での孤立」>
ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、米CIAの元工作員が、ウラジーミル・プーチン大統領は「歴史の邪悪な側面」に堕ちたと評した。
CIAの秘密工作員とFBIの特別捜査官の両方の経験を持つトレイシー・ウォルダーは2月26日、MSNBCの番組「アレックス・ウィット・リポート」とのインタビューの中で、次のように語った。「プーチンが我々の友人だったことは、一度もない。だが彼がこれまでにしてきたことの大半は、サイバー攻撃や心理作戦の類だった」
ロシアによるウクライナ侵攻は、既に双方に多大な犠牲をもたらしている。ウォルダーはこの侵攻に至るまでの過程での、プーチンの態度の変化に注目した。
「彼は超えてはならない一線を超えて軍を動員し、全面戦争に踏み切った」とウォルダーは述べた。「これは予測しておくべき事態だったのではないか、と思う部分もあるが」
「プーチンはわずか数年前に、『戦いが避けられないならば、先に攻撃すべきだ』と発言していた」とウォルダーは述べた。「少なくとも彼はずっと、ウクライナの問題はいずれ戦闘に発展すると考えていたのだと思う。2014年のクリミア併合だけでは満足していなかったとは思わず、私たちは意表を突かれた」
外見も考え方も以前とは変わった
最近のプーチンについては、フランスのエマニュエル・マクロン大統領をはじめとする多くの人が、外見も考え方も以前とは変わったと指摘しているが、ウォルダーも同意する。番組の司会が、コロナ禍で自主隔離を求められたプーチンが深刻な孤立に直面した可能性について尋ねると、彼女は大きくうなずいた。
「まさにそれが、気づいたことの一つだ。大げさに聞こえるだろうが、プーチンの写真を見るとそれが分かる。私はよく彼の写真を見るのだが、顔の輪郭までが変わっている」とウォルダーは言う。「プーチンは外見も話し方も、以前とは変わった。歴史の邪悪な側に渡ってしまった」
プーチンの態度の一部は、旧ソ連の情報機関KGBの高官だった経歴が影響しているのかもしれない。ソビエト連邦の全盛期に生まれ育ったプーチンにとって、ウクライナ侵攻は、ロシアがかつての栄光を取り戻すための試みなのかもしれないとウォルターは指摘した。
「現在69歳のプーチンは、人生のうち50年間を政府またはKGBで過ごしてきた。故ジョン・マケイン上院議員が何年か前に、プーチンの目をのぞき込むと『K・G・B』の3文字が見えると言っていたが、私も心からそう思う」とウォルダーは述べた。「プーチンは大統領としての在任期間の大半において、KGB流のやり方を取ってきたのだと思う」