<独占>キエフ陥落は数日以内(米当局者)
Exclusive: US Expects Kyiv to Fall in Days as Ukraine Source Warns of Encirclement
つい2日まで、美しく平和だったウクライナの首都キエフ(写真は2月14日) Antonio Bronic-REUTERS
<プーチンに突如、踏み躙られた首都キエフの日常。民主的なウクライナ指導部が排除され、親ロ派の傀儡政権に取って代わられる日も近いかもしれない>
ロシアは2月24日、ウクライナへの軍事侵攻に踏み切った。3人の米当局者は本誌に対して、ウクライナの首都キエフが数日以内に陥落し、同国の抵抗は事実上、すぐに無力化されるだろうとの見通しを示した。
3人の当局者(匿名)は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナを「非武装化」するための「特別軍事作戦」に言及したことに注目し、ロシアはウクライナ軍の部隊を囲い込み、降伏させるか破壊するつもりだと指摘。キエフは96時間以内に陥落し、約1週間後にはウクライナ指導部もロシアの手に落ちるだろうと予測した。
ロシア軍は、ウクライナの政府および軍の関連施設を相次いで攻撃し、地上部隊はチェルノブイリ原発をはじめとする戦略拠点の占拠したと報じられている。しかもこうした作戦は「初期段階」にすぎず、今後さらに包括的な地上作戦が展開される見通しだ。
米情報機関の元高官で、ロシア対応の経験が豊富な人物も、同様の見方を示した。
「空からの攻撃や砲撃が終わり、本格的な地上戦が始まれば、キエフはわずか数日で陥落するだろう」と、この元高官(匿名)は本誌に語った。「ウクライナ軍はもう少し持ちこたえるかもしれないが、それも長くはないだろう」
「予想以上に持ちこたえているが」
元高官はまた、「次の段階」がどうなるかは、ジョー・バイデン米大統領が、ウクライナ指導部に代わる反ロシア勢力をどこまでテコ入れするかによって決まるだろうと指摘した。「現地での反ロシア勢力の勢いが大きなものになるかどうかはバイデン次第の部分が大きい」と述べた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に近いある情報筋(匿名)は、キエフが今後96時間以内に包囲される可能性があるという点ではアメリカの見方に同意するが、ゼレンスキー政権が崩壊するとは考えていない。ウクライナ政府はロシアの包囲網を突破できるのかという本誌の質問に対して、この人物は次のように述べた。「まだ答えを出すには早い。ウクライナは、予想以上に持ちこたえている」
NATOのある外交当局者(匿名)は、キエフ陥落に関するアメリカの見方について、本誌にこう語った。「個人的には、残念ながら信ぴょう性の高い見方に思える。最初の24時間が最も重要になってくると思う」