人体という素材に魅入られた著名デザイナーが密輸入しようとしたとされる「特注品」とは
Human Organs Harvested and Trafficked for Fashion Designer, Say Police
インドネシア人デザイナーのプトラは人骨ハンドバッグを作ったこともある(写真はイメージ) Goran Jakus Photography-iStock.
<インドネシアの若きインフルエンサーでもあるこのデザイナーは、過去にも「子どもの脊椎骨を使ったハンドバッグ」を販売したことがある>
ブラジルの連邦警察は、国内の大学からシンガポール在住のファッション・デザイナーに向けて、人間の手1本と胎盤3パックが発送された疑いがあることを明らかにした。
ニュースサイト「バイス・ワールドニュース」によれば、連邦警察が2月22日にアマゾナス州立大学の研究室の家宅捜索を行ったところ、解剖学の教授が人間の臓器を保存していたことが分かった。
警察は声明の中で、この解剖学研究室が「プラスティネーション」と呼ばれる保存プロセスの一環として、「(遺体から)体液を抜き取っていた」と述べた。プラスティネーションとは、人間や動物の遺体の一部を保存するために、身体を構成している水分と脂肪分をシリコンやエポキシなどの合成樹脂に置き換える技術だ。
この教授は現在、捜査対象となっている。(手や胎盤を入れた)小包が既にシンガポールに到着しているのか、それとも途中で差し押さえられたのかどうかは、明らかにされていない。
問題の小包は、インドネシア人のファッション・デザイナーでインフルエンサーのアーノルド・プトラに宛てて発送されたとみられている。
プトラはこれまでにも、人体の一部を使ったデザインで物議を醸したことがあり、2020年には人間の子どもの脊椎骨を使ったハンドバッグを販売した。このバッグに使われた骨についてプトラは、カナダの企業から「倫理的に入手」したものだと主張した。
子どもの脊椎骨を使ったハンドバッグ Tribun Sumsel/YouTube
1月には極右民兵組織に激似の服装も
このバッグの販売について、オンライン上では批判が噴出したが、プトラはインスタグラムへの投稿でこう反論した。「人々の反対があってこそ、クリエイティブな学習プロセスが生まれる。それがなければ、ただ検証作業を繰り返すだけになる」
彼はさらに、インスタグラムのストーリーへの投稿で、問題のバッグは「プラスティネーションを施した人体の一部とアルビノの皮膚を使ったコレクション」の一部だとも述べた。これが冗談だったのかどうかは、明らかになっていない。
プトラはまた、ファッションディレクトリーサイト「ノット・ジャスト・ア・レーベル(Not Just a Label)」上で、「人間に似た謎の生物が持っているという身体のパーツに関する噂のとりこだ」と語っていた。
プトラは裕福だとされており、ソーシャルメディアにはこれまで、贅沢な暮らしぶりを投稿してきた。2017年にはインドネシア・タトラー誌がプトラを、インドネシアで「最も多くの車を所有している車のコレクター」と称している。
1月には、パリで開催されたファッション・ウィークに極右の民兵組織「パンチャシラ青年団」の制服から着想を得たという服装で姿を見せ、人々の怒りを買った。パンチャシラ青年団は、1965年から1966年にかけてインドネシアで起きた大虐殺を主導した組織だ。