北京五輪マスコット「ビンドゥンドゥン」、数千の仕込みアカウントで人気演出か
大会マスコット「ビンドゥンドゥン」が人気だが...... REUTERS/Aleksandra Szmigiel
<五輪マスコットとして異例の成功を収めるビンドゥンドゥン。だが、数万あるネットの肯定コメントには、不自然な特徴が......>
北京五輪の大会マスコット「ビンドゥンドゥン」が人気だ。つぶらな瞳が愛くるしいパンダのキャラクターで、宇宙飛行士をイメージした氷のシェルに身を包んでいる。競技会場で陽気なダンスを披露したり、会場のドアに挟まって身動き取れなくなったところを激写されたりと、スポーツの祭典に明るいムードを添える。
A giant mascots greatest challenge - a door! #BingDwenDwen pic.twitter.com/WHshbliO1g
— Olympics (@Olympics) February 6, 2022
2019年の公式マスコット発表時には「中身の漏れた胡麻団子」とまで酷評されたが、現在ではぬいぐるみが方々で完売するほどの需要を誇る。USAトゥデイ紙によると、南京では先日の氷点下の夜、グッズ購入のために11時間並ぶ列ができた。
好評の要因のひとつとしては当然、親しみやすいデザインがあるだろう。しかし、加速する人気の影には人為的な仕込みがあった模様だ。オーストラリアのシドニー・モーニング・ヘラルド紙が、ネット上でのマスコット人気が多数の偽アカウントによって演出されていた可能性があると報じている。
異常に多い新規アカウント
記事は『「口コミで人気」のビンドゥンドゥン、大会の筋書きを書く中国に加担』と題するもので、マスコット人気が架空のアカウントによって盛り上げられていたと報じる内容だ。同紙が調査したところ、ビンドゥンドゥンを支持するツイートを行ったアカウントの3件に1件は、最近作られたばかりの若いアカウントであることが判明した。
現在、Twitter上でのビンドゥンドゥン人気は凄まじく、ハッシュタグ「#BingDwenDwen」付きのツイートが1月だけで3万件ほど飛び交っている。同紙がこのハッシュタグを付けてツイートしたアカウントを精査したところ、その20%は今年1月に入ってから作られたものであった。さらに去年作成されたものも含めると、奇妙なことに全体の35%ものアカウントが新しいものとなっている。
また、こうしたツイートを投稿しているアカウントの一部には、共通したある不自然な特徴がある。アカウントのIDが「Dianna50973442」「Jessica77025679」など、いずれも欧米人名と数字8桁の組み合わせになっているのだ。ここで例示した両アカウントは過去にビンドゥンドゥンに関連したツイートを投稿していたが、現在は何らかの事情により凍結処分を受けている。