航空機が折り重なるイラン空港の異様な衛星画像は何を意味するのか
Pile of Planes 'Cannibalized' for Parts at Iran Airport Stuns Internet
航空業界では自動操縦装置やエンジンなど、別の飛行機の修理に使うことができる部品がある場合、飛行機を「共食い」させることがある、と彼は説明した。
「例えば、エンジンには一定の寿命があり、それを過ぎると、エンジンを外して修理工場に送り、ほとんど新品のように作り直さなければならない。エンジンの部品の中には非常に特殊なものもあり、イランで同じものを製造することはできないだろう」
「そこでイランの航空会社はどうするかというと、他の航空機からもってくる」
「闇市場から部品を調達することもできたはずだ。自前で製造することができるものは、当然、作ってみただろう。できないものは、共食いした、というわけだ」
「ここに写っている飛行機は、使えるものをすべて取り出した後の巨大なゴミの山だ。最終的にはビール缶にリサイクルされるだろう」
アイマーはその中の1機が、乗客約100人のボーイング707-200型機であることを確認した。今もこのモデルを使っている航空会社はごく少ないという。
老朽化したモデル
イランで使われている航空機はどれくらい古いのか。ブリタニカによるとボーイング707の初飛行は1957年。アメリカで定期便に使われたのは、1983年が最後だ。
欧米の航空会社は新型機に切り替えた後、707を最後に旅客用に使用していたのはイランのサハ航空だった。2013年まで旅客機として利用され、その後は軍が貨物輸送に使用した。
2019年にイランのファス空港で起きた707型機の墜落事故では、搭乗していた16人中15人が死亡している。
カリフォルニアに本拠を置くエアロ・コンサルティング・エキスパーツのCEOを務めるアイマーは、飛行機の共食いはある程度までなら「安全」だと述べた。
「だが永遠にやり続けることはできないし、ある時点であきらめなければならない。40年近くも制裁を受け続けてきたイランでは、これまでのように運航ができなくなる日が来ると誰もが予想していた。今まで運航を続けてきたことが驚きだ」
イランは、ほとんどが王政時代に購入された古い航空機をこれまで飛行可能な状態に保ってきた。2013年の時点でロイターは、航空機の運航を続けるために、古い飛行機が解体されて利用されたことを報じている。