カミラが王妃?そんな裏切りはダイアナと英国民が許さない
Princess Diana's Legacy Hangs Over Camilla's Fate As Queen Consort
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チャールズとカミラの不倫に苦しみ、失意のうちに死んだダイアナ元妃 RUSSELL BOYCE-REUTERS
<即位70年に合わせて発表した声明でエリザベス女王はそれを望むと明言したが、国民はチャールズ皇太子とカミラ夫人の不倫がダイアナをどれほど苦しめたか忘れていない>
イギリスのエリザベス女王が、息子であるチャールズ皇太子の王位継承に向けて行った「お膳立て」が波紋を呼んでいる。17年前に英王室が打ち出した方針を反故にし、またダイアナ元妃に対する国民感情を裏切るものだからだ。
95歳のエリザベス女王は、プラチナ・ジュビリー(即位70年)の年のはじまりに合わせて発表した声明の中で、チャールズが国王に即位したときには、妻であるカミラ夫人(コーンウォール公爵夫人)が「王妃(クイーン・コンソート)」と呼ばれることを望む、と表明した。
だがこれは、過去に王室が発表した方針を覆すもの。2005年にチャールズとカミラが再婚した時、王室は彼女の称号について、将来的には「国王夫人(プリンセス・コンソート)」と呼ばれることになると発表した。故ダイアナ元妃への配慮から下されたものだ。
ダイアナがいない英王室──エリザベス女王とチャールズ皇太子とカミラ夫人
今回のエリザベス女王の要望は、イギリスの世論とは明らかに大きな隔たりがある。
2021年11月に世論調査サイト「ユーガブ」が実施した世論調査によれば、カミラについてはイギリス国民の42%が、「国王夫人」とのみ呼ばれるのが好ましいと考えており、26%は「一切称号を与えられるべきではない」と考えている。
「彼女が王妃と呼ばれることが心からの願い」
女王が今回の発表をしたのは、2月5日。「皆さんが私に忠誠心と愛情を注ぎ続けてくれていることに、いつも感謝しています」と述べた上で次のように続けた。
「機が熟して息子のチャールズが国王になる時にも、皆さんは、私を支えてきてくれたのと同じように、チャールズと妻のカミラを支えてくれると確信しています。そしてその時が来たら、カミラが王妃(クイーン・コンソート)と呼ばれ、忠実な奉仕を続けてくれることが私の心からの願いです」
チャールズはこれを受けて、女王の即位記念日である6日に「私たちは母の願いの表明が名誉なことであると、深く自覚しています」との声明を発表し、さらにこう続けた。「私たち夫婦は共に、女王陛下と国民に仕え、またサポートする方法を模索してきました。その中で、最愛の妻は常にしっかりと私を支えてきてくれました」
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