ウクライナ危機でイギリスが対ロ制裁を本格化
Russian Oligarchs Face Tough Sanctions to Deter Putin From Invading Ukraine
リズ・トラス英外相(左)とNATOのストルテンベルグ事務総長(1月24日、ブリュッセルのNATO本部)Olivier Matthys/REUTERS
<プーチンの周囲のオリガルヒ(新興財閥)も制裁の対象にする一方、ウクライナ兵と共に戦う英軍部隊を派遣する可能性は低い、と英外相>
イギリス政府はロシアのウクライナ侵攻を食い止めるため、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)への経済制裁を強化する意向だ。ロンドンに所有している資産の差し押さえなども行われる可能性がある。
イギリスのエリザベス・トラス外相が27日、スカイ・ニュースに出演して語った。ウクライナ国境近くのロシア軍が増強され、緊張が高まっている問題に関し「第1の優先事項」はロシアのウラジーミル・プーチン大統領にウクライナ侵攻を断念させることだと述べた。
「イギリスはエストニアへの追加派兵や黒海での空からの(軍事)支援の増強の他、プーチンが侵略を行おうとする場合にウクライナができる限り有利に戦えるよう防衛兵器を供給している」
一方で、今週と来週、ウクライナとロシアを訪問して「外交努力も尽くす」。
「だが、プーチンを阻止するには、侵攻のコストを理解させるのがいちばん早いはずだ。侵攻すれば泥沼の結果となりかねない。それは彼も良く分かっているはずだ」
法改正で制裁対象の幅を拡大
経済制裁に関するイギリスの現行法は(対象が)非常に限定的で、ウクライナの不安定化に直接関与している企業しか対象にできないが、その改正案を週内にも発表するという。
「ロシア政府やプーチン政権と利害関係のあるいかなる企業も標的にできるようにしたい。そうすれば、プーチン政権のオリガルヒや国を支えているロシア企業の逃げ場もなくなる。それこそが今週、われわれがやろうと考えていることだ」
"There would be nowhere to hide for Putin's oligarchs, for Russian companies involved in propping up the Russian state."@trussliz explains how economic sanctions could be widened on Russia#Phillips https://t.co/MfyXU0jmTl
— Trevor Phillips on Sunday (@RidgeOnSunday) January 30, 2022
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制裁強化の結果、ロシアのオリガルヒがロンドンに所有している不動産の差し押さえが可能になるかどうかは明確にしなかった。
ウクライナへの支援については「いかなる可能性も排除しない」と述べる一方で、ウクライナ軍とともに戦う戦闘要員としての英軍の派兵については「可能性は非常に低い」とした。
だが英政府は、NATO加盟国のエストニアにジェット戦闘機や戦艦、軍事専門家を送り込むとともに、駐留部隊を倍増させているという。