最新記事
ヘルス

仰向けで、ひざ裏がベッドから浮く人は注意...「ひざの痛み」をもたらす「圧迫」

2022年1月22日(土)12時23分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
ひざのマッサージ

Lyndon Stratford-iStock

<なぜこんなことに今まで気付けなかったのか......多くの人が抱える「ひざの痛み」の仕組みと、痛みを自分で解消できる方法を紹介>

東京・足立区で「アスリートゴリラ鍼灸接骨院」を開業し、ひざ痛を解消するためのセルフケア法を公開した高林孝光の新刊『ひざ痛がウソのように消える! 1日40秒×2 ひざのお皿エクササイズ』より、治療の現状や痛みの生じるメカニズム、セルフケアの方法について紹介する全3回の抜粋紹介。今回はその第2回。

第1回:「ひざの痛み」という悩みがいつまでも解消されない、日本ならではの事情

運動療法こそ治療の王道

「ひざ痛を治すには、運動療法こそがベスト」という結論に達した私は、さまざまな運動療法について研究を始めました。

確かに、急性期の痛みが激しい状態では、体を動かすのはむずかしいでしょう。しかし、だからといって、そのまま安静にし続けていると、ひざが廃用性萎縮(安静状態が長く続くことによって起こる筋肉や関節などの萎縮)を起こし、痛みはますます激しくなります。また、安静にして一時的に痛みが引いたからといって、以前と同じようにひざを動かせば、痛みの原因は変わらずに残っているため、痛みは必ずぶり返します。

ひざに痛みがあっても、無理のない範囲でできる運動を考案するために、私は改めて解剖学の専門書を見直してみました。そして、ひざを側面から見た図を見て、ある一ヵ所に目が釘付けになりました。それは膝蓋骨(しつがいこつ)という骨でした。

膝蓋骨といっても、一般のかたには、あまりなじみがないかもしれません。しかし、「ひざのお皿」といえば、誰でもすぐにわかるでしょう。膝蓋骨とは、ひざのお皿のことなのです。

ひざのお皿に、ひざ痛を解消するカギがあるのではないか──そう直感した私は、ひざのお皿について、改めて調べてみました。

滑車の役割をする重要な骨

筋肉や腱(筋肉と骨を結びつける結合組織)の中に形成される骨を「種子骨」といいます。
種子骨は、頻繁に移動する部位に生じ、腱や靱帯の方向を変え、骨と腱の間の摩擦をへらし、腱の能力を高めたり、脱臼を防いだりします。

ひざのお皿は、人体で最大の種子骨であり、人体で最も厚みのある軟骨ともいわれています。大腿骨とつながっており、ひざの前面を保護する役割をすると同時に、大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)の腱ともつながっていて、ひざを曲げ伸ばしするときに、大腿四頭筋の収縮と伸展を脛骨に伝えるための滑車の役割もになっています。

『ひざ痛がウソのように消える! 1日40秒×2 ひざのお皿エクササイズ』
 著者:高林 孝光
 出版社:CCCメディアハウス
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米バークシャー、24年は3年連続最高益 日本の商社

ワールド

トランプ氏、中国による戦略分野への投資を制限 CF

ワールド

ウクライナ資源譲渡、合意近い 援助分回収する=トラ

ビジネス

ECB預金金利、夏までに2%へ引き下げも=仏中銀総
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チームが発表【最新研究】
  • 4
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必…
  • 5
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 8
    障がいで歩けない子犬が、補助具で「初めて歩く」映…
  • 9
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 10
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中