最新記事

ウクライナ

ロシア「協議は手詰まり」、ポーランド「戦争突入の危険」 ウクライナめぐる緊張高まる

2022年1月14日(金)11時34分
ウクライナめぐる協議に参加したロシア・NATO関係者

ポーランドのラウ外相は13日、ウクライナ情勢について、ロシアはなお外交手段を諦めていないが、緊張が緩和されない事態に備えて軍事的オプションも準備しているとし、欧州が戦争に突入する危険があるとの見方を示した。写真はブリュッセルで12日に開かれたロシア・NATO会談、代表撮影(2022年 ロイター)

ポーランドのラウ外相は13日、ウクライナ情勢について、ロシアはなお外交手段を諦めていないが、緊張が緩和されない事態に備えて軍事的オプションも準備しているとし、欧州が戦争に突入する危険があるとの見方を示した。

この日、米欧やロシアなどでつくる欧州安全保障協力機構(OSCE)の会合がウィーンで開かれた。カーペンター米大使は会合後、「戦争の兆しは強まっており、発言もかなり厳しくなっている」と述べた。

米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は「軍事侵攻の脅威は高い」と指摘。今後の会談日程は決まっておらず、同盟国などと協議する必要があると述べた。

一方でロシアは、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を禁止し、欧州における同盟拡大を止めるよう西側に説得を試みているが、対話は行き詰まりつつあると懸念を示した。

ルカシェビッチ大使は、ロシアにとっての安全保障上のレッドライン(越えてはならない一線)について合意できなければ、「破滅的な結果」になる恐れがあると警告したが、外交を諦めたわけではなく、さらに加速させるつもりだと述べた。

この日の会合は、ジュネーブで10日に開かれた米ロ協議、ブリュッセルでの12日のロシア・NATO会談に続いて行われたが、ポーランドのラウ外相は打開策は見いだせなかったと述べた。

また、ロシアのリャブコフ外務次官はRTVIテレビに対し、情勢が悪化した場合に備え、軍事専門家がプーチン大統領に選択肢を示したと発言。一方で、外交的機会を探る必要もあると述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・タリバン大攻勢を生んだ3つの理由──9.11以来の大転換を迎えるアフガニスタン
・タリバンが米中の力関係を逆転させる
・<カブール陥落>米大使館の屋上からヘリで脱出する「サイゴン陥落」再び


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中