都市封鎖下で出血した妊婦の診療を拒否──「ゼロコロナ」に固執する当局に中国人激怒
Chinese Residents Reportedly Turned Away From Xi’an Hospitals
中国の習近平(シー・チンピン)国家主席は1月4日、五輪の意義を強調するためメディアセンターや競技会場など関連施設を視察し、次のように述べたと、新華社通信が伝えた。
「冬季五輪のような大規模な国際的スポーツイベントの開催は、中華文明の影響力を強め、報道を通じてその偉大さを世界に知らしめ、わが国のソフトパワーを一層強化する絶好の機会となる」
冬季五輪をめぐっては、アメリカとその一部同盟国が中国の人権問題に抗議し、外交的ボイコットを表明したばかり。新型コロナの感染拡大がお祭り騒ぎにさらに冷や水を浴びせた格好だ。習は今秋開かれる共産党大会で異例の3期目就任を固め、さらに5年間トップの座に居座る構えで、そのためにも冬季五輪の大々的な成功は外せない。
アワ・ワールド・イン・データによれば、中国では人口の85%近くが新型コロナのワクチンを接種している。ただし、中国製ワクチンには重症化を抑える効果はあっても、他の国々で採用されているワクチンに比べると有効性は低いと見られている。
なお、妊婦の動画については、独立した調査で裏付けを取れなかった。姪のSNSにメッセージを残したが、今のところ回答は得られていない。香港に拠点を置く中国政府系メディア・鳳凰網新聞センターの問い合わせに対し、中国当局はこの件については調査中と回答した。
本記事の執筆にあたっては、AP通信の協力を得た。
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