都市封鎖下で出血した妊婦の診療を拒否──「ゼロコロナ」に固執する当局に中国人激怒
Chinese Residents Reportedly Turned Away From Xi’an Hospitals
西安では一時期1日の新規感染者数が100人に達し、当局は外出禁止などさらに厳しい措置を取ったが、この時期をピークに新規感染者は減り始めた。
12月下旬以降の西安の累計感染者数は1800人近くで、今回の感染拡大では死者は1人も報告されていない。他の国々に比べれば感染者は桁違いに少ないが、それでも都市封鎖に踏み切ったことで、中国の「ゼロコロナ」政策が改めて浮き彫りになった。
中国当局は1人でも感染者が出れば、その地域全体を封鎖し、集団検査を実施。さらに国外からのウイルス流入を阻止するため、事実上の鎖国政策を続けて、大規模な感染拡大を防いできた。
西安では、一部住民が食料品の不足を訴え、当局が慌てて生活必需品の支給を約束する一幕もあった。結果、一部の住民が無料で配給を受ける一方で、ネット通販などで法外な値段が付いた高い食料品を買わざるを得ない住民も出るありさまだ。
新規感染者が減り始めても、いつ封鎖が解除されるか当局の発表はなく、市民は苛立ちを募らせている。
確認されただけで西安の共産党幹部2人が、感染拡大を防げなかった責任を問われ、解雇された。加えて、市のビッグデータ管理局のLiu Jun局長が停職処分になったと、新華社通信が5日に伝えた。
死者数は増えず
西安では感染が拡大し始めた12月20日、人の動きとワクチン接種状況を監視する健康コード・システムにアクセスが集中し、システムがダウン。新華社によれば、Liuはその責任を問われたようだ。
中国の新型コロナ感染者数は1月6日現在、累計10万2932人。死者数は4636人で、最近の感染拡大では増えていない。
にもかかわらず、欧米ではあり得ないほど厳しい都市封鎖が実施され、何千万もの人々が不自由な生活を強いられ、経済も大打撃を受けている。
2月4日の北京冬季五輪の開幕を控え、中国当局は新規の感染を徹底的に抑え込む構えだ。
北京では不要不急の市境を越える移動は禁止され、市内の大半のホテルは新規の予約を受け付けていない。五輪では「バブル方式」が採用され、選手、関係者、報道陣は入国してから2月20日に五輪が閉幕して出国するまで、外部との接触を一切断たれることになる。
五輪期間中、各会場の観客は中国居住者のみに限定される。それも大半は、授業の一環として観戦する子供たちや政府と軍の関係者に限られると見られている。