共和党「トランプ一択」に待ったをかける男<2024年米大統領選>
Ron DeSantis Has Been Closing the Gap on Donald Trump: GOP Primary Polls
2020年12月、当時のトランプ政権がホワイトハウスで開いたワクチンサミットに出席したデサンティス Tom Brenner-REUTERS
<フロリダ州のデサンティス知事が支持率でトランプにじりじりと迫りつつある。いったいどんな政治家なのか>
2024年の米大統領選で、誰が共和党の指名候補になるべきか――この問題をめぐる最近の複数の調査で、フロリダ州のロン・デサンティス知事がドナルド・トランプ前大統領との差を縮めつつある。依然としてトランプが圧倒的な支持を誇っていることに変わりはないが、デサンティスがじりじりと迫っているのだ。
調査会社イプソスモリが2021年12月半ばに実施した世論調査では、共和党員の半数以上(54%)が、共和党の次期大統領候補としてトランプを支持すると回答。デサンティスは2位につけたものの、支持率はわずか11%でトランプに43ポイントの差をつけられた。
しかしながら、その後の2つの世論調査では、デサンティスの支持率がやや上昇しているという結果が示された。
2021年12月14日~20日にかけてユーガブが実施した調査では、次期大統領の候補として、共和党員の55%がトランプを支持したものの、回答者全体の20%がデサンティスを支持。両者の差は35ポイントに縮まった。デサンティスは共和党の指名候補としても、共和党員の37%の支持を得て2位につけた。
穏健派や無党派層の支持次第で対抗馬に
マサチューセッツ大学アマースト校の教授で同大学の世論調査機関の副所長であるジェシー・ローズは、「現時点では依然、ドナルド・トランプが2024年大統領選の共和党指名候補の本命なのは明らかだ」と述べた。「しかしながら、デサンティスもかなりの支持を得ている。穏健派や無党派層の動き次第で、デサンティスが今後、党の指名争いでトランプと張り合うことも十分にあり得る」
2022年1月7日~9日にかけてシグナルが実施した別の世論調査では、共和党の予備選に投票する可能性が高い有権者の間で、トランプが一番人気だったものの、支持率は半数を割り込む47%だった。2位につけたデサンティスは、支持率19%と依然としてトランプに大きく水をあけられてはいたものの、両者の差は27ポイントに縮まった。
2021年12月半ばにユーガブが実施した、あと2つの世論調査も、デサンティスにとって明るい兆しと言えるだろう。このうち1つの調査でのデサンティスの支持率は23%と、トランプとの差はわずか21ポイント。もう1つの調査でも26%の支持を獲得し、トランプとの差はわずか17ポイントだった。
これらの世論調査結果は、共和党の潜在有権者の間で、デサンティスの支持率が高まりつつあることを示している。これに先立ち、トランプがかつての盟友だったデサンティスを攻撃し始めたという複数の報道があった。