雇用「絶好調」のアメリカで経済悲観論が広がる理由
BIDEN’S BIGGEST PROBLEM
こうなるとバイデン政権与党の民主党は苦しい。
せめてもの慰めは、一般に景気回復の恩恵を最も受けにくいとされる低所得層が、バイデン政権1年目には最大の勝ち組となった事実だろう。
実際、バイデン政権の緊急対応(景気刺激策の一環として政府が一律に支給した現金、子供のいる家庭に対する税額控除による還付金の給付など)のおかげで、物価の上昇に悲鳴を上げていた家庭がかなり助かったのは間違いない。
だが公的支援で得た資金も、いずれはインフレに食いつぶされ、1年前よりも苦しくなったと感じる人が増える。しかもインフレは公的支援や賃上げの恩恵を受けにくい中間層や「中流の上」を直撃する。
そしてこうした人たちの票が1年後の中間選挙の行方を左右する。
年明け後もインフレが続くかどうかは分からない。だが続いた場合に与党がどうなるかは、まあ分かる。
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