香港当局のゼロ・コロナ政策がキャセイ航空パイロットの心を蝕む
キャセイでは、パイロットにかかっている負担は認識しており、懸念を共有するために隔週での電話相談や、同僚パイロット間の相互支援ネットワークなどのプログラム、長期休暇の提供などの対策を行っているとしている。
「香港離れ」の兆候も
世界の他地域では感染状況の改善に合わせて、アラブ首長国連邦のドバイを本拠とするエミレーツ航空や米貨物航空アトラスエア・ワールドワイド・ホールディングスなどが、キャセイにパイロット引き抜きを仕掛けている。ロイターの取材に応じたキャセイのパイロットらが明らかにした。
エミレーツはパイロット600人の採用に向けた動きを開始しているが、コメントは控えた。アトラスにもコメントを求めたが、回答は得られなかった。
ロイターが取材したパイロットらは、一時的な住宅・教育手当の期間が終了する来年には、退職するパイロットがさらに増えるだろうと話している。
キャセイでは、「数百人」規模でパイロットの新規採用を行い、来年には研修パイロット制度も再開する予定だという。
香港の厳しい検疫ルールに伴い、米物流大手フェデックスは前週、香港にあった自社のパイロット待機拠点を閉鎖した。主要な物流ハブとしての香港の輝きに陰りが出ていることを象徴する動きだ。
最近香港を離れたフェデックスのパイロットは「キャセイの人たちには、本当に心から同情する」と語る。「メンタルヘルスという点で彼らが大丈夫なのか、実に心配だ」
Jamie Freed(翻訳:エァクレーレン)
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