米ロ首脳会談、トランプ時代との5つの違い
Five Ways Biden-Putin Talks Were Different to Those Between Trump-Putin
■米政府が会談内容を把握していた
トランプとプーチンの首脳会談のうち、最も大きな注目を集めたのは、2018年7月16日にフィンランドのヘルシンキで行われた会談だった。トランプは会談後、「ロシアは2016年の米大統領選に介入していない」というプーチンの主張を改めて擁護した。
2人の会談は密室で行われ、同席したのは双方の通訳者のみだった。これほど重要な首脳会談でありながら、米政府の当局者たちは会談の内容を知らなかったと、ニューヨーク・タイムズは報じた。同紙によれば、米諜報当局はこの会談後、その詳細を解明するために、同会談について知っていそうな複数のロシア人を監視せざるを得なかった。
バイデンが米大統領に就任後、初めてプーチンと首脳会談を行ったのは2021年6月のこと。ワシントン・ポストによればトランプの時とは対照的に、前半はブリンケンが同席し、より長時間に及んだ後半には、複数の側近が同席した。
トランプはヘルシンキでの首脳会談後、プーチンと共同記者会見を行ったが、バイデンとプーチンは初会談後、別々に会見を行った。
ホワイトハウスが会談後に行った発表によれば、バイデンは、ウクライナとの国境付近に軍を集結させているプーチンに部隊を退くよう求めた。また核軍備の管理などを含む戦略的安定性やランサムウェアによるサイバー攻撃、イラン核合意の再建などについても議論した。
■前より険悪
米ロ関係は、トランプが大統領だった頃からほころびを見せていたが、バイデンとプーチンがジュネーブで会談を行ってから半年でさらに悪化した。
トランプはロシアに数多くの制裁を科したが、プーチンのことは頻繁に称賛していた。一方のバイデンは、サイバー攻撃や人権侵害の疑惑を理由に、ロシア政府に対して幾つもの新たな制裁を導入してきた。
バイデンはまた、ロシアがウクライナとの国境沿いに軍を集結させている問題について、国際社会と足並みを揃え、ロシア政府に対して、2014年のクリミア併合時と同様の動きに出れば、より厳しい制裁を課す考えを示した。
サリバンは7日の記者会見で、トランプ時代との違いを改めて強調。バイデンがプーチンに対して、「我々には、2014年には行わなかったことを実行する用意がある」と告げたことを明かした。
またAP通信によればサリバンは、バイデンがプーチンに対して「もしもロシアが「ウクライナに対するさらなる侵攻」を行えば、アメリカはヨーロッパの同盟諸国と共に「強力な経済措置で対応する」と「直接伝えた」とも説明した。