2021年JC・JK流行語大賞を総括する──「第4次韓流ブーム」と「推し活」という2つのキーワード
表3は今回のランキング(表1)で入賞したものの中から、韓国に関するキーワードを抽出したものである。入賞した20個の流行語の内7つが韓国関連のモノであった。ヒト部門の1位の「INI」は2021年上半期のランキングでもヒト部門2位であり、若者の間で益々存在感が増したと言えるだろう。元々韓国のオーディション番組『PRODUCE 101』の日本版『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』からデビューしたということもあり、彼ら自身がスキルアップのために韓国で合宿を行うなど、容姿や歌い方、ダンスは韓流アイドルを意識しているように思われる。
モノ部門1位の『Girls Planet 999(通称ガルプラ)』は2021年8月6日から10月22日まで放送されていた韓国の音楽専門チャンネルMnetによる日中韓ガールズグループオーディション番組で、応募総数約1万3000人の中から選出されたプロジェクト・グループであり、日中韓各地域33人、合計99人の中から9人のメンバーが「Kep1er」としてデビューが決まった。
モノ部門2位の『イカゲーム』は読者の中にもハマっている人がいるのではないだろうか。筆者の上司も絶賛ハマっているようで世代を問わず流行している韓国のサバイバルドラマシリーズである。若者においてもその人気は例外ではなく、韓国語のだるまさんが転んだに当たる「ムグンファ コッチ ピオッスムニダ」が学校で行われたり、ハロウィン期間にはイカゲームコスチュームが最も検索された仮装のキーワードの一つになるなど、人気コンテンツなのである。
モノ部門4位の「渡韓ごっこ」とは新型コロナの流行に伴い海外旅行ができなくなった若者の間で流行している消費行動で、日本にいながらにして韓国へ旅行した気分になれる行動をいう。例えば、
(1) 韓国っぽい場所へ行く。(自宅をそれらしく飾り付ける。韓国っぽく見えるホテルへ宿泊する。)
(2) 韓国フードを用意する。(ハングルの記載されたカップラーメンや韓国チキンなど)
(3) お揃いのパジャマを着る。(ホテルで楽しく夜を過ごしている感を演出するためのアイテム12)
といった消費行動によって「ごっこ」をよりリアルに演出しようとしているのである。
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12 若者の間で韓国のパジャマが人気なことも要因にあると筆者は考える