2021年JC・JK流行語大賞を総括する──「第4次韓流ブーム」と「推し活」という2つのキーワード

2021年12月22日(水)14時04分
廣瀨涼(ニッセイ基礎研究所)

nissei202112221304223303.jpg

表3は今回のランキング(表1)で入賞したものの中から、韓国に関するキーワードを抽出したものである。入賞した20個の流行語の内7つが韓国関連のモノであった。ヒト部門の1位の「INI」は2021年上半期のランキングでもヒト部門2位であり、若者の間で益々存在感が増したと言えるだろう。元々韓国のオーディション番組『PRODUCE 101』の日本版『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』からデビューしたということもあり、彼ら自身がスキルアップのために韓国で合宿を行うなど、容姿や歌い方、ダンスは韓流アイドルを意識しているように思われる。

モノ部門1位の『Girls Planet 999(通称ガルプラ)』は2021年8月6日から10月22日まで放送されていた韓国の音楽専門チャンネルMnetによる日中韓ガールズグループオーディション番組で、応募総数約1万3000人の中から選出されたプロジェクト・グループであり、日中韓各地域33人、合計99人の中から9人のメンバーが「Kep1er」としてデビューが決まった。

モノ部門2位の『イカゲーム』は読者の中にもハマっている人がいるのではないだろうか。筆者の上司も絶賛ハマっているようで世代を問わず流行している韓国のサバイバルドラマシリーズである。若者においてもその人気は例外ではなく、韓国語のだるまさんが転んだに当たる「ムグンファ コッチ ピオッスムニダ」が学校で行われたり、ハロウィン期間にはイカゲームコスチュームが最も検索された仮装のキーワードの一つになるなど、人気コンテンツなのである。

モノ部門4位の「渡韓ごっこ」とは新型コロナの流行に伴い海外旅行ができなくなった若者の間で流行している消費行動で、日本にいながらにして韓国へ旅行した気分になれる行動をいう。例えば、

(1) 韓国っぽい場所へ行く。(自宅をそれらしく飾り付ける。韓国っぽく見えるホテルへ宿泊する。)
(2) 韓国フードを用意する。(ハングルの記載されたカップラーメンや韓国チキンなど)
(3) お揃いのパジャマを着る。(ホテルで楽しく夜を過ごしている感を演出するためのアイテム12)

といった消費行動によって「ごっこ」をよりリアルに演出しようとしているのである。

────────────────
12 若者の間で韓国のパジャマが人気なことも要因にあると筆者は考える

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日産、武漢工場の生産25年度中にも終了 中国事業の

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中