最新記事

日本社会

女性の生涯未婚率、東京を抜いて1位になった「意外な県」とは?

2021年12月17日(金)19時00分
荒川和久(独身研究家、コラムニスト) *東洋経済オンラインからの転載
独身女性の女性会のイメージ

2020年の生涯未婚率は男女とも過去最高を記録した。  画像はイメージです Satoshi-K - iStockphoto

11月末に、2020年国勢調査の人口等基本集計の確定結果が発表されました。そちらの配偶関係別人口に基づき、2020年時点の50歳時未婚率を算出してみたいと思います。

50歳時未婚率とは、厳密には50歳の未婚率ではなく、45~49歳の未婚率と50~54歳の未婚率の平均値を指します。アラフィフの未婚率とお考えいただければよいかと思います。

男女とも生涯未婚率は過去最高に

実は、この50歳時未婚率は、かつて生涯未婚率と呼ばれていました。それは、50歳を超えてからの初婚が著しく少ないために、それを超えたら生涯未婚であると認定しても支障がないという判断だったからです。

とはいえ、晩婚化の進行もあり、50歳以降で初婚が決してないとはいえないという事実もふまえ、呼び方が、生涯未婚率から50歳時未婚率と変更になったようです。

しかし、晩婚化が進んだとはいえ、50歳を超えての婚姻は再婚が多く、2020年に人口動態調査を見ても、初婚ベースでの50歳以上初婚構成比は男性1.6%、女性0.7%と微々たるものです。

50歳を超えての初婚は今でも男女ともほぼ難しいと考えてよいでしょう。よって、本記事では、以前の呼称通り「生涯未婚率」として呼ぶこととします。

未婚率の計算式は、総数から配偶関係不詳や年齢不詳を除いたもので計算するのが今までのルールです。

生涯未婚率=((「45-49歳の未婚者数」÷(「45-49歳総数」-「45-49歳配偶関係不詳数」)+「50-54歳の未婚者数」÷(「50-54歳総数」-「50-54歳配偶関係不詳数」))÷2
 

2020年の値もそのルールに従って算出します。

2020年の生涯未婚率(外国籍者を含む総数による)は、男25.7%、女16.4%でした。国勢調査が開始された大正時代の1920年からの長期推移のグラフを見れば一目瞭然ですが、男女とも過去最高記録を更新しました。

5年前の2015年が、男23.4%、女14.1%ですから、男女ともそろって2.3ポイントずつ上昇したことになります。男性の4人に1人、女性の6人に1人は生涯未婚となりました。ちなみに、日本人だけに限れば、男25.8%、女16.5%とほんの0.1ポイントだけ高くなります。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

尹大統領の逮捕状発付、韓国地裁 本格捜査へ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 10
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中