バイデンはどうすれば「失敗大統領」にならずに済むか
UNDER PRESSURE
政権スタッフは、バイデンのワクチン未接種者に対するいら立ちは、大多数の国民感情を反映しているという。それは世論調査の結果に裏付けられてもいる。
だが、問題はその論調だ。上から目線で一部の国民を非難することは、最高の戦術ではないかもしれないと、民主党関係者は懸念する。
連邦政府職員のワクチン接種が義務付けられ大手企業も追随するなか、さらに国内を二分するようなメッセージを発する必要はないと、批判派は言う。接種するメリットを丁寧に説明すればいいだけだというのだ。
もう1つ改善すべきなのは、ワクチン開発に傾注したことで遅れているコロナ検査キットの認可と量産体制の構築だ。バイデンはこのために大統領令を発してもいいだろう。
新型コロナ対策の軌道修正を図り、ジョンソン的な議会操作術を駆使し、ミスを犯した閣僚を処分しても、バイデンと民主党が、来年の中間選挙で勝利することは難しいかもしれない。
それでも「ダメージを限定的に抑える」ことはできるだろう。
ひょっとすると、バイデンにとってもっと重要なのは、活動的で有能な大人の大統領として、2024年大統領選を迎えることかもしれない。
そして、たとえ81歳を迎えていても、もう1期を任せられる大統領という信任を得ることかもしれない。
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