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中国社会中国当局、コロナ対策で生活必需品の備蓄呼び掛け SNSでは「中台戦争想定」との声も
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中国商務省は1日、緊急時に備えて生活必需品の備蓄を家庭で確保しておくよう国民に促した。異常な大雨で野菜価格が高騰し、供給不安が生じていることを受けた。北京のスーパーマーケットで5月撮影(2021年 ロイタ/Thomas Peter)
中国商務省は1日、緊急時に備えて家庭で生活必需品の備蓄を呼び掛ける通達を出した。中国では、一部地域で新型コロナウイルスの流行や豪雨で野菜価格が高騰し、供給不安が生じている。
ただ国内ソーシャルメディア(SNS)では通達が台湾との緊張の高まりを受けて出されたのではないかと心配する声が上がった。こうした声に対し、中国共産党系の新聞、経済日報は「考え過ぎ」をしないよう呼び掛け、通達は市民が住んでいる場所がロックダウン(都市封鎖)の対象地域になった場合に慌てないようにするために出されたと伝えた。
商務省は通達で、地方当局にも供給確保や価格安定に向けた対応を求めた。保管できる野菜の購入など準備を行うとともに、円滑で効率的な流通を確実にするため緊急輸送網の強化も検討すべきとした。
国内最大の野菜産地である山東省では10月上旬の異常気象で収穫量が激減。また、新型コロナウイルスの感染が北西部から北東部に広がり、食料の供給に混乱を生じさせる恐れが出ている。
先週はキュウリ、ホウレン草、ブロッコリーの価格が10月上旬と比較して2倍以上に跳ね上がった。ここ数日で価格上昇は和らいでいるものの、エコノミストは10月の消費者物価指数(CPI)が前年比で大幅に上昇すると見込んでいる。
商務省はまた、一次産品の価格や需給に関する情報を適時開示し、市民の期待の安定化を図るべきだとした。
国営テレビの報道によると、中国政府は価格上昇に対応し、「適切な時期」に野菜の備蓄を放出する方針。備蓄されている野菜の種類や規模は不明。
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