最新記事

中国

台湾との戦争準備か? 中国商務省の「備蓄」呼びかけで人民がパニック

2021年11月9日(火)17時30分
エリン・ブレイディ
北京のスーパー

中国ではコロナ感染が再拡大中(北京のスーパー) THOMAS PETERーREUTERS

<商務省は新たなロックダウンへの備えを呼びかけたものとするが、市民は中台の緊張に敏感になっているようだ>

中国で、戦争の噂と買い占め騒動が巻き起こっている。きっかけは商務省が11月1日、野菜や米、食用油などの生活必需品の備蓄を求める声明を発表したこと。これを受け、台湾との戦争準備ではとの臆測がオンラインで広がった。

中台間の緊張は高まっている。アメリカが台湾への武器売却を決め、台湾付近を飛行する中国軍機が増加。アナリストらは戦争間近とは考えていないが、市民は買い占めに走った。国営メディアの経済日報は、商務省の発表は新たなロックダウン(都市封鎖)への備えを意図したものだと解説して火消しに努めている。

中国共産党は「平和的手段による台湾との再統一」が建前で、この方針は総じて国民に支持されている。

臆測をあおる材料はほかにもある。台湾に近いアモイのある住民は、この8月に市政府が発表した非常用備品推奨リストのスクリーンショットを公開した。戦闘に備えて退役軍人が再招集されているという未確認の報告(軍は否定)も出回っている。

20250128issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年1月28日号(1月21日発売)は「トランプの頭の中」特集。いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る


※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国捜査当局、尹大統領を送検へ 内乱首謀で起訴要請

ワールド

トランプ関税、ブラジル牛肉輸出に影響せず=業界団体

ビジネス

シティ、25年原油価格予想を上方修正 地政学的リス

ワールド

北海ブレント先物は6日続落、トランプ関税巡り不透明
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵を「いとも簡単に」爆撃する残虐映像をウクライナが公開
  • 3
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ人の過半数はUSスチール問題を「全く知らない」
  • 4
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 5
    欧州だけでも「十分足りる」...トランプがウクライナ…
  • 6
    「バイデン...寝てる?」トランプ就任式で「スリーピ…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 9
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 10
    いま金の価格が上がり続ける不思議
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 5
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 8
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 9
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 10
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中