静岡敗北で自民党に広がる動揺 衆院選次第で岸田首相の求心力に影響も
岸田首相は衆院選の勝敗ラインを与党で過半数(233議席)としているが、これは自民党が現有276議席から70議席以上も減らす水準。党内では「実質的な勝敗ラインは自民単独過半数の獲得」との声が多く聞かれる。
しかし、元自民党職員で政治評論家の田村重信氏は、単独過半数は厳しくなりつつあると予想する。「衆院選の結果次第では党内にいろいろな声が出るだろう」と、田村氏は話す。
岸田総裁誕生は消去法?
9月に行われた自民党総裁選で河野太郎氏は国民的な人気が高かったが、 ある自民党幹部によると、発言や答弁が不安定で通常国会を乗り切れない可能性があるとして、来夏に選挙を控える参議院議員の間で慎重論が強かったという。岸田氏は消去法的に選ばれたと、同幹部は言う。
田村氏は「岸田首相も甘利明幹事長も応援に入って(静岡補選で)敗れたのは大きな衝撃だ」と指摘。自民党が「総裁選で河野太郎氏と比べ党員人気の少なかった岸田首相を派閥の論理で選んだ」ことに対する「世論のしっぺ返しだ」と話す。
前出の自民党関係者は「衆院選で単独過半数を割れば、執行部の責任論は出てくる」、別の中堅幹部は「参院選の前に岸田首相が交代する可能性もある」と語る。
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