ザッカーバーグ、人生最悪の週明け
Zuckerberg May Be Having the Worst Week of His Life and It Is Only Monday
トラブル続きのザッカーバーグ 今後の対応は REUTERS/Erin Scott
<内部告発者のテレビ出演に加えてシステム障害によるサービス停止、さらには株価下落に加えて15億人分の個人情報流出のおそれも>
フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)にとって、10月4日は人生で最悪の週明けだったかもしれない。
同社は今週、米連邦議会で開かれる公聴会での証言を予定しているが、それに先立ち、内部告発がテレビで放送された。内部告発を行ったのは、同社の元従業員フランシス・ハウゲン。彼女は、フェイスブックが対話より対立を煽り、10代の若者の繊細な心を食い物にするなどして利益を上げてきたことを示す内部文書をリークした。
2019年にフェイスブックに入社し、同プラットフォーム上に出回る偽情報への対処にあたってきたハウゲンは、ウォール・ストリート・ジャーナル紙に内部文書を提供。同紙が9月にこれを複数回にわたって報じたことを受けて、フェイスブックに対する批判が高まった。
さらにハウゲンは3日、CBSの報道番組「60ミニッツ」に出演。フェイスブックは、同プラットフォーム上の憎悪や暴力、誤情報に対処していると言っているが、それは嘘だと主張した。
暴力と扇動に関するコンテンツはほぼ野放し
彼女は番組の中で、「フェイスブックにいた頃、私は『人々にとっていいこと』と『フェイスブックにとっていいこと』の間で利害の衝突が起きるのを、何度も目にしてきた。そしてフェイスブックはそのたびに、自社の利益、つまり金儲けを優先してきた」と語った。
ハウゲンは、フェイスブックが2020年米大統領選の後に、誤情報に対処するチームを解散させたことを明かし、グーグルやピンタレストなど、他のデジタルメディア企業に比べて、誤情報の制限という点で「かなり劣っている」と述べた。
彼女が見たある内部文書には、「当社の推定では、当社がプラットフォーム上のヘイトスピーチに対応したケースは、わずか3~5%。暴力と扇動に関するコンテンツに対応したケースは、約0.6%だが、これでも世界最高水準だ」と記されていたという。また別の文書には、傘下のインスタグラムが10代の少女たちのメンタルヘルスにとって有害だとする調査結果が記されていたという。
フェイスブックに批判の声が殺到するなか、ザッカーバーグは3日、のんきにフェンシングやセーリングを楽しんでいる写真を投稿。ますます世論の反感を買った。そこへ大規模な障害が発生し、20億人を超えるユーザーが何時間もサービスを利用できない状態に。異例なことだというが、子会社のインスタグラムやワッツアップのサービスにも同時に障害が及んだ。