英王室のニューリーダーはチャールズではなくウィリアム──王室歴史家
Prince William, Not Charles, Is 'New Leader' of the Monarchy—Royal Author
映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のワールドプレミアでも注目を浴びた二人(9月28日) Toby Melville-REUTERS
<慈善団体の汚職スキャンダルに直面しているチャールズ皇太子よりも若さと人気を誇るウィリアム王子こそが「王室の未来」か>
危機に直面する英王室で、ウィリアム王子が王室の「次期リーダー」としての「道を切り開きつつある」――王室歴史学者のロバート・レイシーはこのように述べ、父親であるチャールズ皇太子ではなくウィリアム王子こそが、英王室の将来を担う存在だと指摘した。
レイシーは2020年10月に、ウィリアム王子とヘンリー王子の確執について書いた暴露本『バトル・オブ・ブラザーズ』を発表。さらに今年6月には、メーガン妃に対するいじめ疑惑をめぐって口論になったことから、ウィリアム王子がヘンリー王子をケンジントン宮殿から追い出したと証言していた。
レイシーは新たに米ピープル誌に寄せた記事の中で、ウィリアム王子が、スキャンダルの渦中にあるチャールズ皇太子から人気をさらい、英王室の将来を担う人物として存在感を増していると指摘した。
レイシーは記事の中で、次のように述べている。「メディアは王位の『存続そのものを脅かす』危機を取り上げたがる。だがイギリスの君主制度について50年近く研究を行ってきて学んだことは、『(王室の)生き残り、存続』などの言葉を軽々しく使うべきではないということだ」
「英王室は既に、処刑や国外追放に加えて、膨大な数のスキャンダルを生き延びてきた。そして今、チャールズ皇太子ではなくウィリアム王子が、新たなリーダーとして道を切り開きつつある」
絶えないスキャンダル
王室は今もさまざまなスキャンダルの渦中にある。3月にはヘンリー王子とメーガン妃が、米有名司会者オプラ・ウィンフリーのインタビュー番組に出演。ある王族メンバーが、2人のもとに生まれてくる子どもの肌の色について「どれぐらい黒いか」と懸念を表明したことなど、王室に関するさまざまな暴露を行った。
ウィリアム王子は放送後、3月11日にロンドン東部のストラットフォードにある学校を訪れた際、記者からこのことについて聞かれて、「私たちは人種差別的な家族ではまったくない」と短く答えた。
王室には悲しい出来事もあった。4月7日にエリザベス女王の夫であるフィリップ殿下が亡くなったのだ。
9月に入ると、今度はチャールズ皇太子の周囲でスキャンダルが発生した。多額の金銭と引き換えに勲章の授与などの便宜を図った疑いで、皇太子の慈善団体の責任者ら3人が辞任したのだ。
これは、慈善団体の責任者だったマイケル・フォーセットが、サウジアラビアの大富豪に対して、多額の寄付と引き換えに勲章とイギリスの市民権を得られるよう取り計らうと約束したとされる疑惑で、英政府の元閣僚が警察に捜査を求める申し立てを行った。