これ以上の空港退避は絶望的? 米軍がビザを拒否、市内の暴力、空港テロの勧告
Some Afghan Refugees Told to Leave Country Get Turned Away by U.S. Troops
国外脱出のためカブール空港の外に集まったアフガニスタン人(8月25日) Twitter/DAVID_MARTINON/REUTERS
<米軍撤退の期限があと数日に迫るなか、アフガニスタン人協力者の国外退避の道は狭まるばかり>
アフガニスタンからの米軍撤退期限が8月31日に迫るなか、首都カブールの国際空港には、国外脱出を求める大勢のアフガニスタン人が押し寄せている。だがAP通信の報道によれば、出国書類を持っている協力者でさえ、空港ゲートを管理する米軍に追い返されることがあるという。その上、米英政府は25日夜、カブール空港に対するテロの具体的な脅威があるとして、空港に近づかないよう警告した。
アメリカの複数の当局者は8月25日、31日の米軍撤退期限後も出国希望者の国外退避支援を継続していくと述べたが、難民支援を行う複数の団体はAP通信に対し、退避作戦は混乱に満ちており、規模も最小限だと語った。
国際難民支援プロジェクトの政策担当ディレクター、スニル・バーギースは、「失敗のリスクを冒して国外脱出を試みるかどうかの判断は、アフガニスタン人たちに完全に委ねられている」と語る。「幼い子どもや妊娠中の女性を連れた者たちは、脱出するために進んでリスクを取っている」
支援団体は米政府と協力しながら、タリバンによる報復の標的になるリスクが最も高いアフガニスタン人の国外退避を支援している。米軍の手伝いをした通訳やジャーナリスト、女性の権利擁護を提唱する人々などだ。
以下にAP通信の報道を引用する。
アメリカ人の国外退避を優先
米軍の撤退期限まではあと数日しかないが、情報は錯綜している。ホワイトハウスによれば、アメリカや諸外国の輸送機、および民間航空機で国外に退避したアフガニスタン人とアメリカ人を含む外国人の数は8万2300人にのぼる。だが、混乱のなかでまだ空港にさえたどり着けない退避希望者も多い。
8月半ばにアフガニスタンを制圧したイスラム原理主義組織タリバンの指導部は、8月31日の撤退期限の延長は受け入れないと言っている。一方で、タリバンのスハイル・シャヒーン報道官はツイッターへの投稿で、「法的に有効な書類を持っている者たち」は31日以降も民間航空機で国外に出ることができると述べた。
ジョー・バイデン米大統領はアメリカ人の国外退避を優先すると言明しており、米国防総省のジョン・カービー報道官は25日、これまでに4400人を超えるアメリカ人がアフガニスタン国外に脱出したと発表した。
多くのアメリカ人が今もアフガニスタンに残されているが、バイデン政権は推定される人数については公表しないとしている。アメリカに拠点を置く複数の組織は、現地の複数の目撃者の証言として、米国市民やグリーンカードを持つアフガニスタン人の家族でも、カブールの空港構内になかなか入れないケースがあると指摘している。