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アフガニスタンの20年戦争で「国防企業がボロ儲け」というウソ

2021年8月26日(木)11時50分
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)

一方、アメリカがアフガニスタンで費やした金の大半は人件費、訓練費用、医療費だ。20年の間にアメリカがアフガニスタン軍に提供した物資や兵器は、総額830億ドル相当。平均して1年当たり40億ドル余りだ。国防予算全体から見れば、ごく少額にすぎない。

もし有力国防企業がアフガニスタン戦争で大儲けしていたのなら、現在それらの企業の株価は急落しているはずだ。しかし、金融専門誌のバロンズも指摘しているように、米軍が撤退して、アフガニスタンがタリバン勢力の手に落ちたことは、むしろ国防企業の株価に追い風になる。

今後、米軍のアフガニスタンでの活動は遠方からの情報収集や空爆、ミサイル攻撃に移る。そうなれば、有力国防企業の役割がこれまでより大きくなる可能性があるのだ。

アフガニスタン戦争は確かに、判断ミスが招いた泥沼だった。しかし、軍産複合体の関わりを示唆するのは、イデオロギーに目を曇らされた思考停止と言わざるを得ない。

©2021 The Slate Group

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