ワクチン未接種なら入院リスクは29倍 米CDC研究
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<感染リスクにも5倍の開きが。米感染症対策トップは、ワクチン普及なら来春にも社会活動を再開できるとみる>
米疾病予防管理センター(CDC)は8月24日、新型コロナウイルス用ワクチン未接種の入院リスクが、接種を完了した人々に比べて29.2倍に達するとの調査結果を発表した。重症化の予防という面において、ワクチンの効果がはっきりと示された。
調査は今年5月1日から7月25日を対象として、米カリフォルニア州ロサンゼルス郡の住民の感染データをCDCが分析したものだ。この期間は同郡でデルタ株が急拡大した時期であり、データには従来株とデルタ株の双方が混在している。
CDCは報告書のなかで、「こうした感染率および入院率のデータは、デルタ株の伝染が拡大していた時期において、新型コロナウイルスへの感染と新型コロナウイルス感染症の重症化に対し、認可されたワクチンが保護効果を有していたことを示すものである」と述べている。
研究に協力した識者のひとりに、ロサンゼルス郡公衆衛生局で感染症対策を指揮するシャロン・バルター博士がいる。バルター博士は米NBCニュースに対し、入院率の低さは「ワクチン接種を受ける大きな理由です」と語り、接種による重症化予防効果を改めて強調した。
感染リスクは約5分の1
一方、入院ではなく感染リスクの低減効果という観点でも、接種完了者のリスクは未接種者の4.9分の1に抑えられていることが判明した。入院リスクほどの差が出ているわけではないが、それでもおよそ5倍の開きがあることになる。
依然として感染リスクはゼロではないものの、ワクチンの有効率が100%ではないことは以前から指摘されてきた。接種後もマスクを着用し公共の場では他者と距離を保つなど、感染対策の継続が求められることになる。
バルター博士はNBCニュースの取材に対し、他者を感染させることを防ぐという意味においても、引き続きマスクを着用するよう勧めている。ワクチン接種者は感染後も軽症になる傾向があるため、自覚なくウイルスを広めてしまわないよう注意が必要だ。