バイデン、アフガニスタン撤収期限延長するか24日にも決定へ
カブールではタリバンの戦闘員が群衆の前で演説し、市民に国内にとどまるよう求めた。「われわれの道徳心や尊厳はどこにいったのか」と問いかけ、「われわれは米国人がここに居続けることを認めない。米国人はここを去る必要がある。銃かペンかは分からないが、限界まで戦い続ける」と強調した。
同盟国の動向は?
フランスのルドリアン外相は訪問先のアラブ首長国連邦(UAE)で、アフガンからの退避には時間がかかるため、米国が31日に設定した期限について懸念していると表明。カブールの空港へのアクセスが引き続き最大の問題になっているとし、「米国や他のパートナー国と、現地での調整作業を一段と進める必要がある」と述べた。
ドイツのマース外相はベルリンで行った記者会見で、24日の主要7カ国(G7)オンライン首脳会議で、米国が設定した期限を延長するかどうかや、退避を望む人々がカブールの空港にたどり着けるようにする方策についても討議する必要があると表明した。
カブール空港の混乱により支援物資の輸送にも悪影響が出ている。
世界保健機関(WHO)は、カブール空港が民間航空便を受け入れていないため、大量の医療物資が輸送できていないと明らかにした。
アフガン市民の多くは、タリバンがかつて統治していた時のようにシャリーア(イスラム法)を厳格に適用した恐怖政治が再び敷かれることを恐れている。多数が空港に殺到する中、銃撃や混雑が原因でこれまで20人が死亡している。
一方、タリバンの報道官は23日、先週に地元の武装集団の手に落ちた北部バグラン州の3地域を奪還し、パンジシール渓谷の抵抗勢力を包囲したと表明した。ただ、23日に戦闘が行われた様子は見られていない。
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