「ロシアはもはや地域大国の一つに過ぎない」 バイデンが狙うプーチン包囲網
さらにバイデン氏は、ロシア経済がさまざまな問題に悩まされている状況、プーチン氏が2人の米国人を拘束していること、米政府が出資するラジオ局が脅威にさらされていることに言及し、米国人ビジネスマンはモスクワに滞在したがらないとロシア側を非難した。
ニューヘブン大学准教授でロシア・ユーラシア問題専門家のマシュー・シュミット氏は、バイデン氏は国際舞台におけるプーチン氏の存在感を損なうことを狙ったと分析。「この戦略の目的は単純にプーチン氏を怒らせることだが、確かに幾つかの事実も伴っている。だが事実かどうかにかかわらず、反発を招くことになるだろう」と述べた。
これに対してバイデン政権のある高官は、同氏のロシアに対する外交姿勢は成功を収める公算の方が大きいと楽観的な見方をしている。なぜならバイデン氏はまず、先進7カ国(G7)と北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議で「ルールに基づく国際秩序」を堅持するという原則の下に同盟国を結束させた後、その力を背景にすぐプーチン氏に対面したからだ。
この高官は「われわれ全てが守るべき基本的な立場で強力に足並みがそろった」と評価した。
もっとも米国内では野党・共和党が早速、バイデン氏はロシアが支援する天然ガスパイプラインが欧州に建設されるのを阻止できなかったとかみついた。
バイデン氏を頻繁に批判する共和党のリンゼー・グラム上院議員は、バイデン氏がプーチン氏に対して他国の評価が悪いと面倒だと提言したと聞いて不安になったと明かす。「プーチン氏が他国にどう思われようと気にしないであろうことは私からすれば自明だ。率直に言えば、むしろ他国に内政干渉できる力があると言われるのを喜ぶだろう」という。
(Simon Lewis記者、Trevor Hunnicutt記者)
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